共働きの現役保育士です。
保育園を選ぶと言っても何をすべきかに迷うところですね。
4月入園を目指す場合、保育園を決定するまでの流れを表にするとこのようになります。
次から、”我が家にぴったり”の保育園の選び方を各ステップに分けて紹介していきます。
※認可保育園の場合について説明します。
保育園入園1年以上前からすること
現役の保育士として強くおすすめしたいのは、保育園を選ぶ前に「そもそも保育園に通いたいのか」を自問自答することです。
- キャリアを捨てるなんてありえないので子どもは保育園一択
- 世帯年収を上げたいので子どもは保育園一択
- シングルなので子どもは保育園一択
など理由はそれぞれですが、「保育園に預けるのが家族にとって最良の選択である」かを自問自答して欲しいのです。
一番よくないのが
- 働きたくもないけど一日子どもと過ごすのも大変だから保育園かな
- 都合よく保育園を使ってみようかな
- 別に保育園じゃなくてもいいよね
など、保育園が最良の選択か迷っている状態で保育園選びを始めてしまうことです。
保育園が最良の選択と決めずに保育園に入園してしまうと、保育園に対して不満や文句などが出やすいです。

「ベビーシッター並みにに手厚くできないのかって文句を言われても・・」って先生が愚痴っている。
だったら保育園にしなきゃよかったじゃん。
子どもも保護者も保育園の先生も、全員が残念な気持ちになってしまいます。
出産前に「保育園に預けるのが家族にとって最良の選択である」かどうかを自問自答しましょう。
子どもを預ける方法は保育園以外にもたくさんあるのでそれらも検討しましょう。
いつから入園するかを決める
保育園に入園することが最良の選択であると決まったのであれば、次にいつから入園するかを決めましょう。
いつから入園するかを決める2大要素は、仕事のスケジュールと子どもの年齢です。
保育園は空きがあるなら何歳から入園してもかまいません。
0歳から入園するのか1歳からなのか、2歳以上からなのか選択肢は一つではありませんね。

私は0歳で入園の4歳児。

僕は2歳で入園の4歳児。
入園時期が違うけど、運動に手指の巧緻性・・全員大差ないかな。
皆、得意なことは違うけどね。
保育園が子どもに与える影響については、次の記事が参考になります。
保育園入園10か月前からすること
保育園入園の10か月前頃からは、具体的な保育園の候補をリストアップしましょう。
保育園候補をリストアップ
認可・認可外保育園、こども園、幼稚園の延長保育も含めて候補となる園をリストアップしましょう。
ここでは自宅もしくは勤務先から1時間以内で通える候補の園をリストアップすれば十分です。
小規模保育園はかつては原則0-2歳までとなっていましたが、法改正も進み3-5歳にも対象が拡大しつつあります。保育園の候補は幅広く設定しましょう。
条件で保育園候補を絞る
保育園の口コミなどを見るのはとりあえず後で。保育園は毎日通えないと意味がないので条件で機械的に候補を絞ります。
条件は次のとおり。これらは園見学に行かなくても自宅からネット上で調べられる項目です。
開園時間
延長保育時間を詳しく確認する方は多いですが、盲点は朝の開園時間です。
朝7時から20時まで開所という保育園もあれば、朝7時30分から19時30分までの開所という保育園もあります。

朝は7時からじゃないんかーい。
開所時間が遅くて登園後、自分の勤務開始までに勤務先に到着できないことが発覚という笑えない事態に陥らないよう、時間を確認しましょう。
自宅・勤務先からの距離
保育園と自宅・勤務先からの距離は送迎の大変さに直結します。
近ければ近いほど送迎が楽ですね。
送迎の他、忘れてはならないのが「保育園の洗礼」と呼ばれるものです。
保育中に発熱や体調不良が見られた場合、保育園の先生がママ・パパにお迎えの要請をします。
お迎え要請の電話から、おおむね1時間以内で来園し降園して欲しいという保育園が多いでしょう。

てゆーか、仕事中に電話かかってきて1時間以内に退社して保育園に到着しろって無理じゃん。
先生たちも分かっててそう依頼せざるを得ないよね。
だって僕、今39度熱あるんだもん。
自宅から近い保育園でも勤務先から遠すぎると、保育中の体調不良時のお迎えが遅くなってしまうというデメリットがあります。
保育園の洗礼については、下の記事で説明しています。
保育中の体調不良の対応以外にも、保育園と自宅が近距離にあるメリットはたくさんあります。デメリットも含めて下の記事で紹介していますので参考にしてくださいね。

自宅から近ければ何でもいいってもんでもないよー。
自転車登園は大変な時期もあるよ。
私もいやいや期来たら「自転車乗らなーい」って言うもん。
延長保育時間
18時からが延長保育扱いという保育園が多いです。
お迎えが遅くなる可能性がある場合は延長保育ができるかも確認しましょう。
なお、延長保育には別途、延長保育申請書や勤務証明書が必要になる場合があります。
土曜保育の有無
土曜日も仕事がある場合は、そもそも土曜保育を実施しているのか、土曜保育は何時から何時までなのかを事前に確認すべきです。
土曜保育は利用者が少ないので、平日と異なり、行事により利用できない日などがある場合があります。

運動会の日は、保育士全員に給食先生も全員、運動会の運営だ。
だもんで、土曜保育はお休みせざるを得ないってさ。
土曜保育については下の記事でも紹介しています。

入園可能月齢
保育園の入園可能月齢は、一般的に生後57日(2ヶ月)からとなっています。
ただ、保育園により入園可能な月齢が異なるので事前に確認しましょう。
パターンとしては次の通りです。
- 生後43日目から入園可:労働基準法で産後8週間は就業できないため、産休明けから受け入れ可能とする保育園
- 生後57日目(2ヶ月)から入園可:生後57日目以降の入園が可能。多くの保育園がこのパターン。
- 生後3ヶ月・6ヶ月から入園可:園によっては、これらの月齢以降から入園可能とする場合もある
実際は、首が座っていない生後2か月の新入園児は数年に1人くらいというのが体感ですね。
このため、0歳児クラスのベッドは使う子が誰もいない時期が長く、物置と化すことも。

実に3年ぶりに乳児用ベッドを使うお友達が入園してくるらしい。
先生たちが大掃除しとる。
保育園入園8か月前からすること
保育園を見る・知る
候補となる保育園を見学します。見学というと保育園が主催する保育園見学会に参加することだけと思いがちです。
保活のマニュアルには「保育園見学会への申込みは必須」などと書いてあるので、見学会に行けなかったら終わりかのような風潮になっています。

マニュアルに踊らされるのはやめてな。
見学会の予約が取れなくても、個別に見学させてもらえることもある。
現役保育士としては保育園を知る方法は1つではないことを強く訴えたいです。
保育園入園8か月前には、次のような方法で保育園を見る・知ることに集中していきましょう。
保育園見学会に参加する
保育園内部に入ることができる貴重な機会が保育園側が企画する保育園見学会です。
部外者が園内に立ち入ることは不可能なので、保育園見学会は参加した方がよいのは事実です。
保育園見学の予約の取り方から参加するときのマナー、見るべきポイントについては下の記事を参考にしてくださいね。




見学会以外の方法で保育園を見る・知る
保育園見学会には参加した方が良いとはいえ、保育園側は保育の傍ら企画しているので十分な枠を設けることができていないのが現状です。

てゆーか、来年度の0歳児入園枠、在園児の弟妹で全部埋まっちゃうじゃん。
それなのに0歳児入園希望者10人も説明会来てるよ。

先生たちも「入園説明会来ても入園は難しいですよ」って言いたいけど言えないってさ。
見学会への参加が叶わなくても気落ちせず、下の記事で紹介する方法で保育園についてリサーチしてくださいね。



保育園入園6か月前からすること
保育所利用申請の準備
希望する保育園が決まったら、市区町村の保育所利用申請の書類一式の準備をします。
市区町村庁舎に出向かなくても申請書類は作成できますが、不安がある場合は庁舎に出向いてみるのはおすすめです。
- 入園を希望する保育園に必要な最低点数を満たしているかが相談できる
- 待機児童数など、市区町村のWebサイト上で公表しにくい情報が掲示されていることがある

あたし、急に退園するお友達がいたから入園できた組。
ママがたまたま市役所に行ったら、お友達の退園情報が出てきたってさ。
不安が解消されたら申込に必要な書類を準備して入園申込をします。
必要書類の中には就労証明書など勤務先に作成してもらうものもあるので、余裕を持って勤務先の担当部署に依頼しましょう。
市区町村や保育園に提出する就労証明書については、下の記事で説明しています。
保育所利用申請を提出
申請書類が完成したら期限に遅れないように市区町村に提出します。
入園希望保育園欄に記入する数は、個人的には通ってみても良いと思えた保育園はすべて記入する方がメリットがあると思います。
ただし、良いと思っていない保育園に「ここしか許可が出なかったから」という理由で入園してしまうと保育園への不満が出やすいです。

イマイチと思った保育園に申し込みするのは止めてねー。
私も嬉しくないよ。
入園してからイロイロ悩んじゃうよ。
入園してから不幸になってしまうので、良いと思った保育園だけに入園希望を出しましょう。
保育園入園2か月前からすること
「サクラサク」
保育園への入園許可通知が届いたら準備を進めます。
入園説明会
入園する保育園から入園説明会や準備についての案内が封書や電話で届くまで待ちましょう。
入園説明会は4月に入園する家庭だけを集めて行う説明会です。
入園説明会は保護者に入園の準備について説明することと同時に、保育園側はどのような子が入園するのかを知る機会でもあります。
話をしっかり聞けるようにと入園説明会に大人だけで参加する方が毎年いるのですが、是非、入園する子どもも同伴で参加することをおすすめしますよ。

先生たちはママ・パパと話しながらも、何気に僕の目の動きとか活発度とかを見てる。
入園初日の遊びの内容などのヒントにするんだって。
保育園の入園説明会の流れや服装、質問事項について詳しくは下の記事でまとめています。


保育園生活で必要な物の準備
着替えや布団、バッグなど保育園生活で必要な物はたくさんあります。
入園許可通知が届くと嬉しさや焦りからすぐに準備品を購入しなくてはと思いがちですが、一旦ストップです。
入園説明会で準備すべき物の説明があるので、説明会後から準備を開始しましょう。

布団ひとつとっても、どの布団でも良いという保育園もあれば、きっちりサイズが決まっている保育園もある。
保育園の持ち物については下の記事で詳しくまとめているので参考にしてくださいね。
保育園生活に備える
保育園に必要な物の準備も大切ですが、保育園生活を知っておくことで入園してからスムーズに新生活に慣れていくことができます。

物より心の準備。
生活習慣を整えることが、僕らにとって最大の準備ですな。
保育園生活への具体的な備え方については、次の記事が参考になります。



2次募集に応募
入園希望した保育園のすべて入園不許可という場合には、次のような代替え案を検討します。
- 認可保育園の2次募集に申し込む
- 認可外保育園に申込む
- ベビーシッターなどのサービスを利用する
- 育児休業を延長する
2次募集に応募した場合、入園許可が出るのは入園説明会の後になります。

入園準備がめっちゃバタバタにはなる。
入園説明会は終わっていますが2次募集で入園する人も、説明会と同じ内容を個別に聞けるように案内があるので心配しなくて大丈夫ですよ。
年度途中での入園を狙う
4月入園に間に合わなくても、年度途中で空きが出れば入園することができます。
実際、引っ越しや転勤などにより年度途中で退園する子は少なくなく、突然空きが出たりします。
途中入園する場合の流れやメリット・デメリットについては、下の記事で詳しく紹介しています。
まとめ
”我が家にぴったり”の保育園の選び方を現役保育士の立場から紹介してきました。
保育園を選ぶ前に「保育園に通う」のが最善の方法かを心に決めることが一番大切ですよ。
保育園が最良の選択なのであれば、入園してから心穏やかに仕事に邁進できるはずです。
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