0歳で保育園はかわいそう?かわいそうな理由5つを現役保育士が語る

0歳から保育園はかわいそう

共働きの現役保育士です。

0歳から保育園に預けることはかわいそうだと思いますか?

0歳児クラスを受け持った経験がある保育士の目線で、0歳で保育園がかわいそうである点を列挙したいと思います。

0歳から保育園に通っている子の割合

”0歳から保育園はかわいそう”ということであれば、そのかわいそうな0歳児はどのくらいいるのでしょうか。

こども家庭庁が公表した「保育所等関連状況取りまとめ」によると、就学前児童数に占める保育所等利用児童数の割合、すなわち保育園等の利用率は54.1%(2,705,058人)です。

そして、令和6年4月時点における0歳児の就学前児童が757,000人、うち保育園に通っているのが131,247人です。
割合にすると17.3%です。

年齢区分別の就学前児童数に占める保育所等利用児童数の割合(保育所等利用率)

ただし、この調査では4月時点で児童数を調査しています。
0歳児は年度途中からの入園も多いことを考えると、年度末時点の調査であれば17.3%よりも高い数値になったはずです。

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0歳で保育園はかわいそうである点5つ

保育園

親以外とも愛着を形成する

人間関係における0歳児の発達段階は次の通りです。

  • 主に大人との信頼関係の構築が中心
  • スキンシップや応答的な関わりを通じ安心感や愛情を育み、自己肯定感を高める。
  • 人見知りが始まり、特定の大人と関わる

愛着理論を提唱したイギリスの医学者ジョン・ボウルビィ氏は、愛着は基本的には母親(母性的な人)との関係性の中で形成されるが、母親だけでなく、複数の人との間に同時並行的に愛着関係を築くことができると言っています。

園児(0歳)
園児(0歳)

注:「母親との関係が」と女性側に限定して述べられていますが、ジョン・ボウルビィ氏は1907年~1990年を生きた方である点も申し添えておきます。
当時は育児=母親と多くの人が考えていたという時代背景があります。

0歳から保育園に子どもを預ける場合、両親とともに愛着関係を築くパートナーとなるのが保育士です。

「親以外とも愛着関係を築かなくてはいけないなんて」という方は、0歳から保育園はかわいそうと思うことでしょう。

スキンシップが減る

両親とともに愛着関係を築くパートナーが保育士ですが、家庭よりも物理的にスキンシップの機会が減少する可能性があります。

家庭で1名以上の大人に対し子どもが1人などの場合は、求めに応じていつでも抱っこやスキンシップができますよね。

現行の0歳児クラスの職員配置基準は、子ども3人に対し保育士1人です。

いつでもどこでも・・と言うわけにはいかないのが現状です。

園児(0歳)
園児(0歳)

「抱っこーーーーー」って、保育園では順番待ちかい!

想像しやすいようにざっくり例えてしまうと、3つ子ちゃん状態です。
3つ子ちゃんの場合は、2-3人同時に抱っこを求められても、なかなか厳しいですよね。

感染症にかかりやすい

0歳児は免疫力が低いです。
また、保育園は集団生活の場です。

これは動かしがたい事実。

このため、風邪や胃腸炎などの感染症に頻繁にかかる場合があります。

園児(0歳)
園児(0歳)

お隣の1歳児クラスは胃腸炎で4人お休みだ。
僕らのクラスにも波がやってくると先生たちがおびえている。

筆者の体感では、保育園児たちは0-1歳児のうちに免疫が付くのか、3歳児以降は出席率ほぼ100%です。

生活リズムが合わない

家庭だと昼食の時間に眠そうであれば、少し寝かせて後で食べさせようとか、今日はぐずっているから外遊びはやめておこうとか、子どもの様子に合わせて生活のリズムを変えやすいですね。

園児(0歳)
園児(0歳)

30分くらい昼寝してから食べるわー。

保育園は集団生活の場であるため、家庭ほど柔軟に生活リズムを変えることができません。

給食は毎日決まった時間に調理され、片付けが行われるため、決まった時間に食べる必要があります。
このため、眠そうであっても、給食の時間にできるだけ食べてもらうように促すしかありません。

園児(0歳)
園児(0歳)

今、眠い。
眠いが今食べないと昼食の時間は二度とこない。

お友達は外遊びなのに一人だけ室内遊びにすることも、職員数によっては難しいことがあります。

「家庭のようにすべて子どもの希望通りにしてほしい」と思う方は、0歳から保育園はかわいそうという結論に至るはずです。

親にノウハウが蓄積しない

子ども、特に0歳児の体調不良は理由が分かりにくいです。
原因不明の熱も頻繁に出します。

いきなり哺乳瓶を投げ捨てます。
3分前までご機嫌だったのにいきなり泣き出します。

思わぬ場所でいきなり転びます。

そのようなアクシデントに対し、どのような親も試行錯誤しながら原因を探って解決していきます。

園児(0歳)
園児(0歳)

ママは、私が哺乳瓶を投げたのはミルクの味が合わないからだと思っているらしい。いや、違う。
単に投げたらどうなるかなーって思っただけだ。

当たり前ですが、そのようなアクシデントは保育園でも当然起こりえます。
アクシデントの原因を探って解決するというプロセスは保育園でも同じです。

0歳児が家庭で過ごす時間が減るということは、家庭内でこのようなアクシデントに遭遇する回数が減るということです。

保護者自身がアクシデントの原因を探って解決するという経験をする回数が減るので、経験によるノウハウの蓄積が少なくなるのは致し方ないでしょう。

園児(0歳)
園児(0歳)

困れ困れ、僕の扱いに困って僕を学べ、大人たちよ。
保育園の先生たちも同じじゃ。困れーー!

保護者にノウハウが蓄積しなくても、子ども自身はかわいそうではないですが、筆者個人的には、これが0歳から保育園に預けることの唯一のデメリットだと思います。

成長の節目を親に見てもらえない

初めて立った、初めて歩いた・・など、成長の節目や子どもの初めての瞬間を保育園内で迎えることも当然あります。

喜びを共有すべく、「〇〇ちゃん、今日、はじめて2歩歩けたんですよ」と報告したら、「保育園で初めてできたことは報告しないでください」とおっしゃったママがいらっしゃいました。

保護者(ママ)
保護者(ママ)

〇〇ちゃんの”初めて”はお家で喜びたいので!

子どもは、「初めての〇〇はお家でやらなくては」などと器用に考えることはできません。

喜びの共有がダメだというのであれば、保育士は子育てのパートナーではなく何なのでしょうか。

初めての瞬間を親に見届けてもらえないのがかわいそうということであれば、そもそも無理があるので、0歳からの保育園はおすすめしません。

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まとめ

現役保育士の目線で0歳で保育園がかわいそうである点を列挙してきました。

今回挙げた点がどうしても許せないということであれば、0歳からの保育園は見送った方が良いと筆者は考えます。

保育園を選ぶ前に保育園に預けること自体を肯定しているのかを自問自答することが一番大切です。

子どもを預けることに納得しているのなら、親も子も不安なく保育園生活を送れるはずですよ。

保育園生活について正確に描いてありつつ、マンガとしても面白いのが「実録 保育士でこ先生」です。
「保育園ってどんなとこ?」と思ったら是非手に取って見てください。


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また、0歳からの保育園については、下の記事でも紹介しています。合わせて参考にしてくださいね。

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