共働きの現役保育士です。
保育士であると同時に、ファミサポの協力会員(援助を行う側)として登録・活動経験があります。
このような筆者がファミリー・サポート・センター事業、通称「ファミサポ」について、ベビーシッターと比較しながら解説します。
おすすめのファミサポ利用法についても紹介しますよ。
ファミサポとは
また、子育て中のママ・パパには、美容院に行くなどリフレッシュする時間が必要です。

美容院に行きたい。お友達に会いたい。買い物に行きたい。
どのような理由でもファミサポを利用できる。
ファミサポには、保育園等を利用せず家庭保育している方でも子どもを預けられます。

画像引用(子ども家庭庁/ファミリー・サポート・センター)
ファミサポの提供会員(協力会員)はどんな人?
協力会員になるための条件
- 市区町村内在住
- 心身ともに健康な人
- 子どもが好きな人
- 自治体が実施する講習を受けられる人
協力会員になるための条件はこれだけです。
講習といっても8時間程度のもので、負担ではありませんでした。
また、協力会員になるために保育士などの資格は求められません。
協力会員は50代33%、60代25%
筆者が協力会員が集まる講習に出席した際に同席していた協力会員の内訳はこんな感じです。
- 平均年齢(見た目年齢)60歳
- 子どもと関わりたいので協力会員をしている
- 自身の子どもに友達を作りたいという理由で活動している30代の方も
千葉県市川市の調査でも、協力会員の内訳は50代が33%、60代25%となっており、イメージとしては「近所のおばちゃん・おじちゃん」が協力会員としてサポートしてくれると考えて相違ありません。
協力会員向けには、会員登録時だけでなく定期的に講座があるのですが、筆者の地域では平均年齢に合わせたからか講座の内容が「盆栽を楽しむ」とか「ボールペン字を学ぶ」なども多く含まれていました。
子どもを預かるためには幅広い教養も必要ですが、講習内容が保育とは若干ずれるかなといつも思います。
ファミサポとベビーシッターの違い
ファミサポとベビーシッターの違いについて説明します。
ファミサポというと安価なベビーシッターかのようなイメージがありますが、異なるものと認識して欲しいです。
利用するまでの流れが違う
ファミサポを利用するまでの流れは次のとおりです。
ファミサポのアドバイザー(主に市区町村の職員)から協力会員の紹介を受けると、事前に対面で打ち合わせ・顔合わせを行います。
社会福祉協議会などの施設に出向き、アドバイザー・協力会員・依頼会員とが面談をします。
面談は10分程度で、はじめましての自己紹介から依頼内容について打ち合わせをします。

面談には子どもも同席することをおすすめします。
顔を合わせることは大切!
この対面での事前面談の有無が、ファミサポと主なベビーシッターサービスとで違う点です。
資格の有無が違う
主な民間のベビーシッターサービスでは登録する条件として、保育士や幼稚園教諭などの資格を保有者を挙げていることが多いです。
一方、ファミサポの協力会員の場合、「子どもが好き」であることが唯一の登録条件です。資格の有無がファミサポと主なベビーシッターサービスとで違う点です。
料金の支払い方法が違う
民間の主なベビーシッターサービスではWebサイト上で利用料金を決済できるため、サービス利用時の金銭の授受が発生しません。
上述の子ども家庭庁のリーフレットに小銭の絵が書いてありますが、まさにそのとおりでファミサポでは提供会員から協力会員に現金が渡されます。
料金を支払うタイミングは市区町村によって異なりますが、筆者の地域の場合は協力会員が活動レポートを作成しファミサポアドバイザーが承認した後に、料金を受け取れる仕組みになっていました。
このため、活動終了1週間後に、改めてサポートしたご家庭の家を訪問しサポート料を受け取りに行きましたよ。
ピンポーン・・「先日のサポート料の1400円をいただきに来ましたー。」とインターフォン越しに言うのは勇気がいりました。

ピンポン来た。ファミサポの方?
休みの日に何の御用?
ファミサポは協力会員の立場からも非効率な部分が多く、仕組みの改善が待たれます。
サポート場所が異なる
ベビーシッターサービスの場合は、依頼主の自宅かベビーシッターの自宅で預かるかの2択です。
ファミサポの場合は、依頼主の自宅と協力会員の自宅の他、市区町村の施設内の託児室や子育て支援室などを選択することができます。
(市区町村によっては、基本的に協力会員の自宅と指定されている場合もあり)
ファミサポの場合は、ファミサポ専用の託児室や子育て支援室など市区町村の施設もサポート場所として選べる点がベビーシッターサービスとは大きく異なります。
保育士である筆者としては、初めてファミサポを保育目的で利用する場合は、依頼主の自宅または市区町村の施設内を利用したほうが良いと考えます。
理由は、協力会員の自宅の場合、常に子どもの月齢に適した環境になっていることの方が少ないためです。
料金が違う
ファミサポの利用料金は市区町村によって異なりますが、例えば平日の日中に保育目的でサービスを利用した場合、次のとおりです。
- A市:700円/1時間
- B区:720円/1時間
- B市:800円/1時間
保育する人数が2名以上の場合、2人目から半額になる市区町村が多いです。
民間のベビーシッターサービスでは最低でも1,100円/1時間。ファミサポとは料金が異なります。
ファミサポのおすすめ利用方法
保育士であり協力会員としても活動経験がある筆者から、ファミサポをトラブルなく利用するためにしたいことを紹介します。
初回は自宅か市町村の施設内で
ファミサポの初回利用時は、依頼者の自宅か市町村の託児所などの施設内での保育が望ましいです。
協力会員の自宅では、常に保育が行われているわけではありません。当然、自宅がお子様の月齢にあった環境になっていません。
初回利用時は特に環境重視で、依頼者の自宅または市区町村の施設内で預かってもらうことをおすすめします。
送迎目的での利用がおすすめ
ファミサポを利用するなら、保育園から自宅、学童から自宅、学校から塾までなど子どもの送迎を目的とした利用はおすすめできます。
ファミサポの協力会員には保育士などの資格が求められないため、保育よりも送迎などの保育の知識によらないサポート内容の方が安心して任せられます。
家事支援での利用がおすすめ
産後や保護者が病気の際など、ファミサポの協力会員に家事支援・家事代行を依頼できます。
体調不良の中、家事をするのはつらいものです。
ファミサポには保育の知識によらないサポート内容の方が適しているため、家事代行は安心して任せられます。家事代行サービス専門の業者に依頼するより遥かに安価です。
まとめ
保育士であると同時に、ファミサポの協力会員(援助を行う側)として登録・活動経験がある立場から、ファミリー・サポート・センター事業(ファミサポ)について解説してきました。
ファミサポというと安価なベビーシッターかのようなイメージがありますが、利用までの流れや協力会員の資格などが異なります。
ファミサポの利点を活かして上手く活用しましょう。
子育てを助ける施設として、ファミサポの他、子育て支援センターも誰でも利用できます。
子育て支援センターについては、以下の記事を参照してくださいね。
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