融通がきかない保育園ってうちだけ?現役保育士が理由10例を解説

保育園融通がきかない
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共働きの現役保育士です。

通園中の保育園は、要望をあっさり聞いてもらえたり、ルールがゆるやかだったりと「融通が利く」保育園でしょうか。

中には、「こんなに融通が利かないのはこの保育園だけ?!」と驚いている方もいるでしょう。

今回は、融通が利かない保育園の事例を紹介しながら、保育士の立場からその理由を紹介していきます。

あるある融通が利かない保育園10例

仕事がない日は預かってもらえない保育園

保護者が仕事をしていない日に子どもを預かってもらえるかは、保育園により差があります。

  1. 親のいずれかが休みであれば登園不可
  2. 仕事がない日、親のリフレッシュ目的での保育園利用も歓迎
  3. 親のいずれかが休みであればできれば登園を控えて欲しい

筆者の勤務園の場合は、仕事が休みと分かっていても基本的には登園を受け付けるスタンスです。

保護者(ママ)
保護者(ママ)

休みの日に子どもを預けて、15時におやつを。
保育園そばをフラペチーノ片手に散歩してたら、先生にばったり。

ただ、毎日延長保育になるまで預けたり、土曜日も登園することが続いているようなこの場合は、「仕事がお休みであればお子さんと過ごしてください」と依頼をします。

仕事がない日は預かってもらえない理由

保護者の仕事がない日の対応は、職員数が確保できているかという保育園の体制に左右されますね。

人材が枯渇していて両親ともに仕事だという子の保育だけで手いっぱいな保育園では、当然、親が休みなら登園して欲しくないという対応になってしまいます。

また、子どもの精神衛生上、あまりにも保育園で過ごす時間が長い子については、もう少し家庭で過ごす時間を取ってもらえるよう促すことがあります。

園児(女の子)
園児(女の子)

家にいる時間より、保育園にいる時間の方が断然長い私なのだ。
日曜しか家にいないからね。

遅刻は絶対NGな保育園

登園するときは9時までになどと、登園時間のルールがある保育園もありますね。

ただ、登園直前に限ってトイレにいくと子どもが言い出す・・というのはあるあるです。

園児(0歳)
園児(0歳)

「さあでかけるよ」ってなってから出る・・。
あるあるですな。

登園時間が厳密に決まっている保育園では、遅刻を咎められたり、遅刻したら受け入れてもらえないといったこともあるでしょう。

遅刻は絶対NGな理由

厳しい登園時間を設けている理由は、登園時間を過ぎると設定保育が始まってしまい、受け入れ対応をする保育士が確保できないためです。

登園時間が過ぎてすぐ、朝の会を始める場合、朝の会の途中で誰かが登園してきたら、朝の会をいったん止めて他のお友達を待たせ、登園児の受け入れ作業をすることになります。

園児(0歳)
園児(0歳)

あ、カオリちゃん、今来た。
ちょっと待っててって言われてもねー。
私待てないよねー。

余剰の保育士が入れば何時に登園しても受け入れ対応できるはずですが、そのような保育園ばかりではありません。

お迎えの時間が変更できない保育園

申告した降園予定を過ぎることはできないという保育園もあるでしょう。

急な残業などが発生した場合は、非常に困りますね。

お迎えの時間が変更できない理由

降園予定時間を厳守とする理由は、単純に余剰の保育士がいないためです。

2歳児クラスでは、園児6人につき保育士一人が基準など、厚生労働省が保育士配置基準を定めています。

この基準を超えると違反となってしまうため、合同保育の時間帯でも残りの園児数と年齢、職員の人数を計算しながら職員配置を決め、調整しています。

園児(0歳)
園児(0歳)

0歳児の僕らには3人につき先生が1人必要だから・・。
今、急にお迎えが遅れるお友達が出ると、配置基準超えになっちゃうみたいね。

このため、予定外の保育時間延長が生じるとギリギリの人員数で回している保育園では、保育士配置基準を満たすことができなくなってしまうのです。

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外遊びなしにできない保育園

「風邪気味なのでうちの子だけ外遊びはなしに」という要望をいただくことがあります。

この要望に対しては、全く問題がない園と対応が難しい園とに分かれますね。

外遊びなしにできない理由

1人だけ外遊びをさせないためには、外遊びをしない子につく職員がもう一人必要です。

外遊びなしにできない保育園は、このもう一人の余剰保育士が確保できないために、一人だけ外遊びなしというのは難しいと言っています。

園児(男の子)
園児(男の子)

僕、風邪気味なんで、外遊びするかどうか揉めるより家で寝てたいよねー。

そもそも、病児保育ではない限り、保育園は体調良好な子のみが登園できます。
風邪気味なので個別対応をという理屈はおかしいというのも、保育園側の言い分でしょう。

裏起毛がダメな保育園

冬になると裏起毛のトレーナーやズボンを着ている子が多くいます。

一報、保育園に着せていったら裏起毛はやめて欲しいと言われてしまったことがある人もいるかもしれませんね。

裏起毛がダメな理由

裏起毛の衣服がダメな理由は、ずばり静電気が発生するからです。

保育園全体で裏起毛は駄目とする場合と、担任の先生が個人的にやめて欲しいと言っている場合があります。

保育園の園庭の大型遊具は、柔らかい上に耐久性が優れているためプラスチック素材のものが多いです。
プラスチック素材の滑り台を降りる子を補助するたびに、静電気で「イテテテテ」というのは保育士あるあるです。

園児(女の子)
園児(女の子)

私の滑り台を補助するときに静電気が痛いから裏起毛困るって、完全に先生都合だよねー。
痛いのは誰でもいやだけどさー。

強く裏起毛はNGまでは言えなくとも、「痛いから裏起毛ヤメテ・・」というのが正直なところです。

保護者が布団カバーをセッティングする保育園

週末に布団または布団カバーを持ち帰り、週明けの登園時に保護者が布団カバーをセッティング、押し入れにしまわなくてはいけないという保育園が少なくありません。

保護者(ママ)
保護者(ママ)

布団カバー面倒だから先生がやってくれればいいのに。
融通効かないなあ。

忙しい月曜日、こんな感想を漏らす方もいるでしょう。

保護者が布団カバーをセッティングしなくてはいけない理由

保護者に布団のセッティングをお願いする理由は、布団を準備する人員も時間も不足しているためです。

例えば、15人のクラスの場合、1人の先生が布団のセッティングに行ってしまったら子どもたちはその間どうなるのということになります。

子どもたちの安全を守るためにも、布団の準備に人員を取られたくないというのが保育士側の本音です。

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オムツは持ち帰りの保育園

使用済みのオムツは毎日保護者が持ち帰らなくてはいけないという保育園があります。

ただ、最近では行政の後押しもあり、保育園で処理するという園が9割に達しています。

オムツを持ち帰らなくてはいけない理由

使用済みオムツを持ち帰らなくてはいけない理由の一番は、廃棄費用がかかることです。

保育園で使用済みおむつを廃棄する場合は、保育園で産廃処理費用を負担しなくてはいけません。
ごみ回収業者に委託すと、おおむね月に5,000円~20,000円程度です。

園児(0歳)
園児(0歳)

ゴミの廃棄費用は誰が持つべきか。
難しい問題だ。

この産廃処理費用負担が難しい場合、保護者に使用済みおむつを持ち換えるように依頼することになります。

オムツを持ち帰りの理由として、家庭でも子どもの健康状態を把握するためと説明されることがあるでしょう。

実際は、費用の問題という事情があるのです。

お弁当の日がある保育園

保育園なのにお弁当の日がある場合があります。

忙しい朝のお弁当作りは大変ですよね。

保育園なのにお弁当の日がある理由

保育園からは、子供が喜ぶ・家庭の味を味わうためなどと理由を説明されるかもしれません。

実質的な理由は次のように様々です。

  • 年末や年始など、食材の流通が止まってしまうため
  • 調理師不足により、お弁当の日を作ることで休暇を確保しているため
  • 調理師の急病のため
  • 給食室の整備のため

保育園には土曜保育があります。土曜保育がたった一人だとしても調理師が出勤し、給食を提供しています。

園児(男の子)
園児(男の子)

家庭の味を・・とか言うけど、裏理由だよねー。
でもお弁当の日がないと給食先生、毎週6連勤になっちゃうってさ。

このような背景もあり、人材が確保できていない保育園の場合は、お弁当の日を作ることで少ない調理師数で日々を回しています。

園児(0歳)
園児(0歳)

給食先生1人急病だって。
今、園長先生が皿洗いのヘルプに入ってる。

土曜日に利用できない保育園

就労を支援するのが保育園の主な使命。
それゆえ、基本的に土曜日も開園しています。

ただ、すべての土曜日に通所できるかというと、実際はそうではありません。

保護者(ママ)
保護者(ママ)

なんで今週だけ土曜保育ダメなの?!

土曜の登園を断られ、融通がきかないと嘆いている方もいるでしょう。

土曜日に保育園が利用できない理由

例え、仕事が理由でも土曜日に登園できない場合に考えられる理由は次の通りです。

  • 発表会など行事と重なっている
  • 感染症が大流行している
  • 職員が確保できなかった

運動会や発表会は、土曜日に行っている保育園も多いですね。
行事の運営には多くの職員が必要になるので、保育士全員参加はもちろん、給食室の調理師までも運営に参加しています。

このため、行事の運営で職員が出払ってしまい、土曜保育の方には職員を回すことが難しい場合があります。

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突然短時間保育を強いてくる保育園

「〇日は職員研修のため午前のみの保育となります」「行事準備のため15:00のお迎えでお願いします」などと、突然短時間保育とされてしまったという経験がある方もいるでしょう。

保護者(パパ)
保護者(パパ)

なんだよ。
保育園の都合で短時間保育とか、融通がきかないなあ!

という感想を持ったことでしょう。

突然短時間保育を強いてくる理由

研修や行事準備など、保育園が述べている理由のとおりです。

専門性の向上を目的とし、2023年度から保育士は「保育士等キャリアアップ研修」の受講が必須となっています。

また、消火訓練を受けることも保育士の義務です。

園児(0歳)
園児(0歳)

保育園の先生は全員、使い方聞かなくても消火器を使いこなせるぜー。
結構すごいことでしょ。

その他にも、虐待防止についての研修、誤嚥・誤飲防止のための研修、個人情報保護についての研修など、毎月なんらかの研修を受講しています。

園児の保育をしながら研修を受講することは実際には無理なので、短時間保育とし、研修などを行っているのですね。

逆に言うと、研修のために短時間保育をしていない保育園の場合は、Webベースの研修の場合は業務時間外に自宅で受講しているはずです。
筆者の場合はこのパターンですねえ。

園児(0歳)
園児(0歳)

無給じゃーん。

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まとめ

「保育園で融通がきかない」という場合に考えられる理由を、現役保育士の立場から紹介してきました。

保育士としては限られたリソースの中で、保護者の希望を聞き最大限頑張っていると思っているのですが、保護者の立場からはいかがでしょうか。

共働き子育てが限界を迎える前にできることについては、下の記事で紹介しています。
あわせて参考にしてくださいね。

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