結論
- 就労証明書の明らかな虚偽は、保育園や自治体に気付かれる可能性があります。
- 保育士は子どもの話や送迎時の様子などから違和感に気付くことがあります。
- ただし勤務時間の多少のズレですぐ退園になるケースは多くありません。
- 働き方が変わったら早めに園や自治体へ相談することが大切です。
保育士として働いています。
公立・認可保育園では、入園申し込み時や継続利用の現況調査などで「就労証明書」の提出が求められます。
ただ、
- 勤務時間が変わった
- シフト制で説明しづらい
- 求職中になりそう
- 土曜勤務が不定期
など、働き方が複雑で、
「これってどう書けばいいの?」
「少しくらい実態と違っても大丈夫?」
「保育園にバレる?」
と不安になる方も少なくありません。
実際、保育士として働いていると、保護者の勤務状況は日々のやり取りや子どもの話から自然と見えてくることがあります。
今回は、
- 保育園は就労証明書をどこまで見ているのか
- ごまかしはバレるのか
- 現況調査や土曜保育では何を確認されるのか
- 退園になるケースはあるのか
について、現役保育士の視点で解説します。
保育園は就労証明書をどこまで確認している?
「保育園は本当に就労証明書を確認しているの?」
「勤務実態まで調べるの?」
と不安になる方もいるかもしれません。
ただ、実際には保育園だけで完結しているわけではありません。
認可保育園の場合、就労証明書は市区町村の利用調整や現況確認に関わる書類です。
保育園は、
- 書類を取りまとめる
- 不足書類を確認する
- 市区町村に提出する
という立場に近いです。
入園選考時は市区町村が確認している
認可園の入園選考では、市区町村が指数計算を行います。
そのため、
- 勤務時間
- 就労日数
- 雇用形態
- 育休復帰予定
などは、保育利用の可否に直接関わります。
特に激戦区では、数点の差で結果が変わることもあるため、不自然な内容は確認対象になることがあります。
就労証明書は、保活全体のスケジュールの中でも重要な提出書類の一つです。
「いつ就労証明書を準備すればいい?」「保活は何から始めればいい?」という方は、こちらの記事も参考にしてください。
現況調査では「現在も保育の必要性があるか」を見る
入園後も、多くの自治体で年1回の現況調査があります。
これは、
「今も保育園利用の条件を満たしているか」
を確認するためのものです。
そのため、
- 退職している
- 勤務時間が大きく変わった
- 実際はほとんど働いていない
などの場合は、状況確認が入ることがあります。
土曜保育は特に勤務実態を見られやすい
土曜保育は利用人数が少なく、通常保育より職員配置も限定されます。
そのため、
「本当に仕事なのか」
を確認されやすい場面でもあります。
自治体や園によっては、
- 土曜勤務専用の就労証明
- シフト表
- 勤務予定表
などの提出を求められることもあります。
保育園が就労証明書の偽装を見破る方法
就労していないのに就労しているように見せかけるなど、就労証明書を偽装した場合、先生たちにはバレてしまうのでしょうか。
答えはYESで、次のように偽装を見破ります。
| バレるきっかけ | 理由 |
|---|---|
| 子どもの話 | 家庭の様子が自然に伝わる |
| 職場への電話 | 勤務実態が分かることがある |
| 土曜保育 | 土曜保育用に勤務証明を求められる |
| 現況調査 | 自治体が確認する |
| 送迎時の様子 | 普段との違いが分かる |
体調不良時に職場に電話したとき
体調不良等の場合には緊急連絡先に電話をして、お迎えを要請します。
いくら優先順位を携帯電話にしていても、出なかった場合は次の優先順の職場に電話をします。
「今日は出勤日ではありませんよ」と電話に出た方から報告があることで、保育園側も就労証明書の嘘を知ることになります。

携帯電話に電話した場合も、背後の物音や声など、先生たちは良く聞いてるよ。

「カフェっぽい」とか「ショッピングモールっぽい」とか電話切ったあとに言ってるな。
子どもの話から見破る
保育園の先生たちは、子どもの話から保護者の就労状態を知るというのが一番多いでしょうか。

パパ、毎週水曜日はゴルフー。

ママ、午後休だって。
保育士の仕事は子どもたちとコミュニケーションを取ること。
家庭のことはほぼ筒抜けと思って差し支えありません。
保護者を目撃される
- いつも駅に向かうのに今日は家に戻っていった
- 非番の先生が美容室にいた保護者を見た
- 家の周りをマラソンしているのを見た
- 某有名ショップの紙袋を下げている
こんな姿を保育園の先生はよーく見ています。
当たり前ですが保育士は子どもの観察が大得意。
こどものみならず保護者を含む人の行動も見ています。

先生、服だけでなく登園時の靴とかも見てるなー。
あの靴のときは出勤ではないとか。

お迎えのときの手提げを見て、「あのルートで移動して買い物をしてお迎えだと、今日午後半休だったよね」とか言ってるねー。
保育園に提出した就労証明書の内容と異なる動きをしているとすぐにバレます。
一方で、「仕事が休みの日に子どもを保育園へ預けてもいいの?」と悩む保護者も少なくありません。
仕事が休みでも利用できるケースや、保育園での考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
送迎時の服装
「職場=きちんとする場、保育園=生活の場」と無意識に感じるのか、出勤する場合と、休みの場合とで服装や身なりが大幅に異なる方がいます。
普段は着ていないヨレヨレのTシャツ、寝ぐせ、すっぴんなどで保育園に登園すると「〇曜日は勤務なしなのかな」と感じます。
出勤する日とそうでない日との服装のギャップも就労証明書の偽装がバレるポイントです。
就労証明書をごまかすと退園になる?
就労証明書をごまかした場合、「すぐ退園になるの?」と不安になる方もいると思います。
ただ、実際には自治体や状況によって対応は異なります。
軽微な食い違いですぐ退園になるケースは多くない
例えば、
- 急なシフト変更
- 残業の増減
- 勤務日の入れ替え
など、実際の働き方と書類内容に多少差が出ることはあります。
そのため、保育園側も「少し違う=即退園」と考えているわけではありません。
実際、保育士である私自身は、就労証明書に虚偽があるという理由で退園になった園児に会ったことがないですね。
ただし、明らかな虚偽は問題になる可能性がある
一方で、
- 実際は就労していない
- 勤務実態が全くない
- 就労証明書を偽造している
など、明らかな虚偽の場合は注意が必要です。
保育園だけでなく、市区町村側の確認によって利用継続について相談や確認が入る可能性があります。
保育士が見ているのは「子どもの生活」
実際の保育現場では、保育士は「取り締まり」をしたいわけではありません。
私自身も「調べよう」と思って保護者を見ていることはありません。
それよりも、
- 子どもの生活リズム
- 長時間保育の負担
- 保護者の状況
- 家庭全体の様子
を把握して保育に活かすため、保護者の勤務状況を常に気にしています。
保育士は子どもの生活を見守る仕事なので、環境の変化には気付きやすいのです。
保育園選びでは、園のルールや保育方針を事前に確認しておくことも大切です。
見学時に確認しておきたいポイントについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
就労証明書は入園後も再提出することが多い
公立や認可園の場合、保育園の入園申し込み時には市区町村に就労証明書を提出します。
入園してしまえば就労証明書が不要かと言えばそうではありません。
入園後にも次のような時期に就労証明書を提出しなくてはいけませんよ。
これから保活を始める方は、まずお子さんが何歳児クラスになるか確認しておくことも大切です。
入園希望クラスによって競争率が異なるため、間違えのないよう確認しておきましょう。
▶ 保育園の何歳児クラス?早見表はこちら
保育園の年度継続審査
保育園に通所中、継続通園申込や現況確認といった名称で、次年度も保育園を継続利用したいかの審査があります。

このときに改めて就労証明書の提出が求められます。
保育園の年度継続審査とは
保育園の年度継続審査とは、子ども・子育て支援新制度に基づいて、保育園利用中の園児に対し、保育の必要性や施設利用の継続の意思を確認する調査です。
年1回実施されます。

保育園の先生から就労証明書をお願いされたからといって、「なんだよ保育園、面倒くさいな」って先生に言わないでおいてあげてー。

先生たちも仕方なくやっている仕事だしねー。
市区町村の代わりに取りまとめてくれてるだけだしねー。
土曜保育を利用するとき
土曜保育を利用する場合も就労証明書などの提出を求められます。
ただ、このときの就労証明書は土曜保育就労証明書などという名称で、土曜日の就労に特化した証明書になっています。
なぜ土曜保育で就労証明書が必要
保育園の土曜保育は、保護者が仕事の場合のみに利用が限定されているためです。
このように就労証明書は保育園に入園したからといって無縁というわけにはいかない書類となっています。

厳密には就労以外の理由、病気などやむを得ない事情の場合も土曜保育を利用できるよ。

冠婚葬祭が理由だと受け入れるかは保育園によるかな。
就労証明書のフォーマット
保育園に提出する就労証明書のフォーマットは保育園が作っているものではありません。
おおむねどの保育園も下のようなフォーマットでしょう。

就労証明書標準的な様式/こども家庭庁
こども家庭庁の示している様式に、市区町村が従っているかたちですね。
保育園選びで後悔しないために、見学時に確認したいポイントについては、こちらの記事でも詳しくまとめています。
保育園の就労証明書でよくある質問
パートでも就労証明書をごまかすとバレますか?
保育園にとっても、行政にとっても、勤務形態がパートか正社員かは関係ありません。
パートだからといって、ごまかしがバレにくいということはありません。
認可保育園では、勤務時間や就労日数も保育の必要性を判断する重要な情報です。
そのため、実際の勤務状況と大きく異なる内容を記載している場合は、現況調査や土曜保育の利用時、日頃のやり取りなどから不自然さに気付かれることがあります。
一方で、急なシフト変更や勤務時間の増減など、実際の働き方が変わること自体は珍しくありません。
変更があった場合は、そのままにせず保育園や自治体へ相談することが大切です。
シフト制でも問題ありませんか?
シフト制で働いていること自体は問題ありません。
医療・介護・販売・サービス業など、シフト勤務の保護者は多く、珍しいケースではありません。
保育士だって、シフト制で働く労働者の仲間です。
勤務日や勤務時間が毎月変わる場合は、シフト表や勤務予定表の提出を求められることがあります。
実際の勤務状況に合わせて申請していれば、シフト制だから不利になるということはありません。
育休中なのに就労扱いにするとどうなりますか?
育児休業中であるにもかかわらず、実際には働いているように申告することは避けましょう。
認可保育園では、自治体が保育の必要性を確認しています。育休中か就労中かによって利用条件や必要書類が異なることが多いです。
育休の延長や復職時期の変更などがあった場合は、自己判断でそのままにせず、早めに自治体や保育園へ相談することをおすすめします。
就職が決まっていないのに働いていると書くとどうなりますか?
実際には就職していないにもかかわらず、就労しているように申告することはおすすめできません。
自治体によっては求職活動中として一定期間保育園を利用できる制度を設けている場合があります。
利用できる期間や条件は自治体ごとに異なるため、就職活動中であることを正しく申告し、必要な手続きを行うことが大切です。
会社に頼んで就労証明書を書いてもらえば大丈夫ですか?
はい。
多くの場合は、会社の人事関連部署などが就労証明書の発行をしています。
会社が実際の勤務状況と異なる内容を記載した就労証明書を作成した場合、会社側に確認が入ることがあります。
このため、会社は勤務実績をあるがままに偽りなく記載してくれるはずです。
自営業のため雇用主がいない場合も就労証明をする必要がありますが、フォーマットや証明の仕方は行政により異なります。
就労証明書の内容が変わったらどうすればいいですか?
転職や退職、勤務時間の変更、育休延長などで就労状況が変わった場合は、できるだけ早めに保育園や自治体へ連絡しましょう。
自治体によっては、新しい就労証明書の提出や変更届が必要になることがあります。
まとめ
保育園に提出する就労証明書をごまかした場合、保育士は日々のやり取りや子どもの話、送迎時の様子などから、不自然さに気づくことがあります。
特に、
- 現況調査
- 土曜保育利用
- 長時間保育
などは、勤務実態とのズレが見えやすい場面です。
ただ、保育士は「嘘を暴きたい」「取り締まりたい」と思って保護者を見ているわけではありません。
実際の現場では、
- 子どもが無理なく生活できているか
- 保護者が困っていないか
- 家庭が安心して保育園を利用できているか
を気にしている先生がほとんどです。
一方で、就労証明書は認可保育園の利用条件に関わる大切な書類でもあります。
自治体によっては確認が入る場合もあるため、勤務状況が変わったときは、できるだけ早めに相談・申告しておくと安心ですよ。
無事に入園が決まったら、次に始まるのが慣らし保育です。
期間やスケジュール、仕事復帰との両立については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
また、毎日の送迎は、仕事との両立にも大きく影響します。
保育園選びでは立地も重要になるため、自宅や職場からの距離で迷っている方は、こちらの記事も参考にしてください。
