保育園いつから入園?保育園で過ごす時間の長さの影響を保育士が解説

共働きの現役保育です。

  • 保育園にはいつから入園するべきか
  • 育休を延長して入園を遅らせるべきか
  • 長い時間を保育園で過ごすのはかわいそう?

保育園は基本的に親の就労を前提に入園できるため、一度入園するとすぐに辞めたり、利用時間を変更したりということは難しいです。
このため、このようにいつから入園すべきかという悩みが生じます。

早く職場には復帰したいが子どもが保育園で過ごす時間・期間も延びるため、子どもの発達にも影響があるのではと心配するのですね。

今回は、現役の保育士の立場から、保育園にいつから入園するかを検討するときに役立つヒントを提供します。

保育園で長時間過ごすと発達に影響がある?

保育園に0歳から入園し、就学までの期間のうち長時間を保育園で過ごした子は、そうでない子と発達の具合が異なるのでしょうか?

各国の研究者も報告を挙げていて、「保育園に早めに入園すること自体は心身の発達に大きな影響を及ぼさない」という研究結果*があります。

*How Does Early Childcare Enrollment Affect Children, Parents, and Their Interactions?
ISS Discussion Paper Series F-184/University of Tokyo-Shintaro Yamaguchi, Yukiko Asai and Ryo Kambayashi

研究者ではなく保育の現場で子どもを見ている現役保育士である筆者から見ても、この研究結果には同感なのです。
0歳の4月入園の子と3歳から入園した子を比べても、言語・運動・情緒などあらゆる面で発達に違いがあるように思えないのです。

実際、筆者が勤務している保育園を昨年卒園した園児たちを見ても、運動会でリレーのアンカーを務めたのは0歳から保育園で過ごしてきた3人でした。発表会で難しいナレーションの役割に抜擢されたのも長期間保育の子でした。

もちろん3・4歳児クラスから入園してきた子も様々な場面で活躍していますが、保育園への入園時期が育ちに影響しているようには到底思えないのです。

毎日、朝の7時から19時30分まで実に12時間以上を保育園で過ごす子もいますが、話をしても反応も良く歌なども上手で、保育園での滞在時間は発達と無関係なのだなとつくづく思います。

子ども目線では保育園にいつから入園したって同じ

長時間保育と子どもの発達とは無関係であるという研究結果が出ているにも関わらず、保育園にはいつから何歳から入園すべきかという議論は尽きません。
0歳から保育園はかわいそうかなど心配する人も多いです。

筆者は、このような心配をする方は自分が保育園を利用するかを迷っていることを、子どもにどう影響するかという問題にすり替えてしまっていると考えます。

子ども目線では保育園にいつから入園したって同じなので、いつ入園するのがベストなのか親が自分の気持ちを整理すべきです。

保育園で長時間過ごすことによる影響

保育園で長時間過ごすことで子どもの発達には大きな影響は及ぼさないというのが、実際に保育園で保育している筆者も実感することです。
一方、子どもではなく親には大きな影響があると感じます。

研究者ではなく保育士目線で、保育園で長時間過ごすことによる影響を列挙します。

親に子育てのノウハウが蓄積しない

保育園で丸々6年間過ごそうが、1日12時間以上過ごそうが子どもの発達には大差がないと感じますが、保護者に子育てのノウハウが蓄積はしないはずです。

  • 子どもは突然熱を出します
  • 子どもは突然皿を割ります
  • 子どもは突然下痢をします
  • 子どもは触ってほしくない物ほど触ります
  • 子どもは突然道端で寝ます
  • 子どもは寝てほしいときに限って寝ません
  • 子どもは疾走します

子どもが家庭で過ごす時間が短ければ短いほど、このような場面に遭遇する確率は下がるのは当たり前です。

子どもが巻き起こす困ったことに対処する経験が多いほど、親自身の子育てスキルも上がっていきますよね。

就寝時間が遅くなる

家庭保育でも保育園でも、幼稚園でも、夜の就寝時間については家庭の事情により異なります。

学研教育総合研究所による幼児白書Web版によると、保育園児全体の就寝時間は21時35分です。
さらに、就寝時間を保育園児と幼稚園児とで分けると結果は次のとおりとなっています。

通園施設 就寝時間
保育園児 21時35分
幼稚園児 21時09分

学研教育総合研究所による幼児白書Web版「2022年の「就寝時刻(保育園)」「2022年の「就寝時間(幼稚園)」より

幼稚園児に対し保育園児は26分寝るのが遅いことが分かります。

そして、保育士の立場でもこの調査結果は頷けるのです。

家庭と保育園とのやり取りに使う連絡帳を見ても、就寝時間23:00とか「今日は寝付けなかったようで0時まで起きていました」とか、結構な頻度で記入してあることがあります。

4・5歳児ではなく0・1歳クラスの連絡帳ですよ。
なかなかビックリですよね。

土曜日・日曜日が潰れる

年中や年長になるとお友達との交流が増え、子ども同士で「○○くんの家に遊びに行っていい?」「いいよー」というやり取りも出てきます。

もちろん、家庭の都合を優先すべきで子ども同士の約束に従う必要はないのですが、受け入れる場合、保育園児の場合は他の家庭との交流は必然的に土日に。

平日は夕方まで保育園にいるので、お友達と保育園の外で遊ぶ時間がないですものね。

平日は保育園だから土日は家族だけで過ごそうと思っていても、完全には思惑通りいかないかもしれません。

親を先生と呼び間違える

保育園児あるあるのひとつが「親に向かって先生と呼びかける」ことです。

家庭よりも保育園で過ごす時間が長ければ長いほど、親よりも保育士と交流する時間の方が長くなります。

子どもが間違えて親を先生と呼んでしまうことがあるのは、不思議なことではないのですが、地味にショック・・という保護者の方、多いですね。

まとめ

保育園にいつから入園するかを検討するときに役立つヒントを提供してきました。

保育士として毎日保育園児と接している立場から言えるのは、「保育園で長時間過ごしたからといって、子どもの発達への影響は小さい」ということです。

それより保育園で過ごす時間の長さは、子どもではなく親の子育てスキルの方に影響大だと思います。

子どもの発達のためにはいつから保育園に入園するのがベストなのかと考えがちですが、自分自身がいつから入園させたいのかという視点で検討してみてくださいね。

納得できる答えが見つかるはずですよ。

保育園に入園するかを検討中であれば、次の記事も是非ご参照くださいね。

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