共働きの現役保育士です。
2025年3月7日、政府が虐待防止対策や保育人材の確保などを盛り込んだ児童福祉法等の一部を改正する法律案を閣議決定。
保育園などの職員による虐待を見つけた場合の通報を所管する保育所や認定こども園、認可外保育所などに義務化するというものです。
参考
- 児童福祉法等の一部を改正する法律案の概要/こども家庭庁
- 保育所等の職員による虐待に関する通報義務等について/こども家庭庁
「保育士による虐待に通報義務」改正案の中身
2025年3月7日閣議決定の児童福祉法等の一部を改正する法律案のうち、保育士による虐待に対する通報義務化の部分について、分かりやすくフローチャートにすると次の通り。
参考:保育所等の職員による虐待に関する通報義務等について/こども家庭庁
とどのつまり、行政による保育園の指導強化をするという法律改正ですね。
ニュースに対し保育士が現場目線で思うこと
「保育園職員による虐待に通報義務を創設」というニュースに関し、保育現場の人間から率直にコメントをしてみます。
保育士の研修が増える
今回の法律改正により、またまた保育士が受講すべき研修が増えるらしい。
保育士等キャリアアップ研修というものが、令和5年度から受講が必須化されています。
この研修を受講しないと給与がアップしないのです。
その他、個人情報に関する研修だの虐待に関する研修だの毎月・毎週受講している状態です。
また研修が増えるのねというのが正直な感想です。

担任の先生、私を置いてどこへ行く。
あー、また研修ね。
私たちより大切な研修って何?
これら研修を受講しようと思うと、実施できるのは午睡(昼寝)中、見守りの最低限の保育士を残して受講するか、Web研修の場合は自宅で無給で受講するかのどちらか。
研修を課すならその対価は?と思ってしますねえ。
市区町村に相談って何を
市区町村に相談できるらしいですが、市区町村の担当の人だって、見ず知らずの子どもについて相談されても正しく理解するのは難しいですよねえ。
ごく一部だけの情報だけを元に、市区町村が指導・助言、虐待の判断をしてくれるらしい。

ヨウコ先生、お友達に殴りかかっていたコウタ君を止めようとしたら、手がコウタ君の顎にあたって、コウタ君ケガしちゃったってー。

行政の人「身体的虐待の疑いがありますね」だって。
保育士の立場でも、特に有資格者でもない方からの指導に従う義務があると言われると、そもそも保育士の資格いらないよね?と思ってしまいますねえ。
園長や管理職による虐待には効果なし
通報義務は保育園に対して課されるとのことなので、園長など管理職による虐待には効果がなさそうです。

保育園に通報義務を課すってことは、通報するのは管理職になるしね。
一般職員が通報できたとしても、その後、働き続けるのは難しいでしょうねえ。
通報なんかされたら保育士辞める
これは筆者個人の気持ちですが、虐待で通報などされたら、即保育士辞めますねえ。
激安の給与で重労働、責任だけは重く、通報までされて続けるメリットが一ミリもないもの。

サクラ先生、いきなりいなくなった。
虐待で通報されて、保育士するの馬鹿馬鹿しくなったって。
- 切り取り方によっては虐待行為に見えてしまう行為
- 虐待行為に見えないが実は子どもを傷つける行為
- 保育園の人間関係のもつれから意図的に相手を通報する
ってありますからね。
誤解による通報もあるのではないかと危惧しています。
まとめ
2025年3月7日、政府が虐待防止対策などを盛り込んだ児童福祉法などの改正案を閣議決定というニュースについて、現役保育士の立場からコメントしてきました。
保育園内での虐待防止については下の記事でも紹介しています。
あわせて参考にしてくださいね。
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