保育園の登園渋りへのベストな対応は?年少以下・年中以上年齢別に解説

保育園の登園渋り

共働きの現役保育士です。

「保育園に行かない」と靴を履いて暴れる。
保育園まで来てみたものの、今度は足にしがみついて保育室に入っていけない・・

子どもが登園を渋ったために、仕事に遅刻したという経験がある方も少なくないでしょう。

今回は、保育園の登園渋りについて、原因や対策を交えて実例を交えながら解説します。

保育園の登園渋りとは

保育園の登園渋りとは、子どもが保育園に行きたがらず、登園を拒否する状態になることです。
入園時や休み明けなどに多くみられますが、頻度は子どもに差があります。

行動のパターンの例としては次のようなものがあります。

  • 保育園に着いてもママ・パパにしがみついて離れない
  • 家に帰りたいと泣き叫ぶ
  • 保育士やママ・パパを叩いて暴れる

登園渋りの原因

登園渋りの原因は年齢や入園後の時間により様々です。

入園直後の登園渋り

園児(男の子)
園児(男の子)

知らない人ばかりで嫌

全くそのとおり!と大人でも理解できますよね。

大人でも初めてきた場所、初めて話す人達との交流はストレスですから。

子供も同じで、入園後しばらく登園しぶりが続くのは当たり前のことです。
長い子では半年以上、続くのも良くあることです。

保育士としては、入園初日からおやつをパクパク食べて笑顔で遊ぶ子の方を注目して見ています。
初日から楽しそうなので、一見慣れるのが早そうに見えますが、頑張りすぎていることが多いです。

少し慣れてきた数週間後から突然登園しぶりが始まったり、体調を崩してしまうことがあります。

年少以下の登園渋り

もっとお家にいたい

園児(女の子)
園児(女の子)

ママやパパともっと過ごしたい。

ママやパパと楽しく過ごした週末。
月曜日の朝は、圧倒的に登園しぶりの子が増え、泣きながら登園という子がたくさんいます。

大人だって、月曜日の朝「ああ、仕事が始まってしまう・・」とため息をつきますよね。

子どもは正直です。
ため息程度では収まらず、全身で「保育園よりママ・パパとお家で過ごした方が楽しかった!!!」と言っているのですね。

寒いし暑いし雨だし出たくない

寒い冬より暖かな春や秋、雨の日よりは快晴の方が身が軽く感じられるのは大人も子供も同じです。

冬が近づいてくると、園児全体の登園時間が遅くなる傾向がみられます。

大人なら「憂鬱だなー」とつぶやく程度なところを、正直な子どもは「寒い!家の方が良い!絶対保育園行かない!!」と大騒ぎすることになります。

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年中以上の登園渋り

人間関係の悩み

園児(男の子)
園児(男の子)

保育園に苦手な友達がいるから嫌。

年少から年中以上になると登園渋りの原因は複雑になります。

大人と同様、子どもたちも人間関係に悩んでいます。
お友達とケンカをしたり、お友達に仲たがいをしてしまった翌日は保育園に行きたくないと思っています。

苦手な活動がある

園児(女の子)
園児(女の子)

鉄棒が上手くできないから恥ずかしい。

年中以上になると、感情も豊かになり、恥ずかしいという気持ちも大きく育ってきます。

それがゆえに、例えば発表会など行事の前、上手く踊れなかったときに先生から「〇〇君、挙げる手が反対だよ」などと注意された場合、皆にも聞かれて恥ずかしい気持ちにもなります。

発表会のお遊戯などは苦手という子からすれば「今日も発表会の練習があるから保育園行きたくない!」となってしまうのですね。

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保育園の登園を渋ったときの対応は

次項で紹介するとおり、登園を渋った後よりも渋りそうになったときにできることの方が多いです。

まずは、今まさに登園渋り中というときにできることを紹介します。

飴で釣る

「飴で釣る・・」というご褒美作戦は、癖になる・エスカレートするのでおすすめではないのですが、即効性はあります。

飴の材料は様々です。

  • 寒い冬には「お気に入りのキャラ付きのニット帽」を
  • 雨の日には「お気に入りの傘」を
  • おいしい「グミキャンディや飴」を
  • 朝食にクリームパンを

ご機嫌を取って保育園に向かわせる作戦ですね。

ちなみに、飴で釣る作戦で登園したかどうかは、登園すると保育士たちも一発で分かります。
検温するときに口の中から甘い匂いが、歯にチョコレートが、自分で誇らしげに「グミ食べてきたー」と報告する子が・・あらゆる手段で見破っています。

いずれにしても、無事登園できて何よりです。

保育園を休ませる

保育園を休める状況であれば、登園しなくても問題ありません。
「今日は休んだから明日は保育園に行こう」と声掛けをして、お休みしましょう。

義務教育ではないので、休める状況にあるのに無理やり登園する必要はないのですから。

数日登園しないと、保育園の生活リズムを取り戻すのに多少時間がかかるものの、子どもは適応能力が高いので過度な心配は無用です。

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少しだけ早いお迎えを約束する

「今日はいつもより早いお迎えだよ」の約束をするのも一手です。

保護者(パパ)
保護者(パパ)

今日は補食の時間より早くお迎えに行くよ。約束だよ。

年少以上なら「いつもより20分早くお迎えに行くよ」「いつもは合同保育中だけど今日は帰りの会の時間のお迎えだよ」などと、具体性を持たせるとなお良しです。

約束したら本当に約束を守り、時間通りにお迎えに来ることが大切です。

登園したら素早く離れる

親が名残惜しそうにすると子どもが気になってしまいます。

保護者(ママ)
保護者(ママ)

ママもお仕事行ってくるよ。外遊び楽しみだね!

明るい言葉をかけながら登園し、先生に預けたらさっと離れるのがよいですね。

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登園を渋る子に親がかける言葉は

今まさに登園を渋っている子に親はどんな言葉をかけるべきでしょうか。

必ずお迎えに来るよ

必ず迎えに来ることを約束する言葉をかけると子どもが安心します。

保護者(ママ)
保護者(ママ)

今日はお迎えはママだよ。待っててね

  • 3歳以下なら「必ずママが迎えに来るからね」
  • 3歳から4歳なら「おやつが終わった頃に迎えに来るからね」
  • 5歳児なら「4時半に迎えに来るからね」

大人は、昨日・今日・明日・来週という時系列は日常的に使いますが、子どもは時間の流れや時系列を理解するのが難しいです。

このため、年齢に合わせて、まずは迎えに来ることを、次に何時くらいに迎えに来ることを付け足しましょう。

保育園行きたくないよね

登園を渋っている子に対し、「しょうがないでしょ」といった正論をぶちかましてもほぼ聞いていません。

ひたすら気持ちを受け止め共感しましょう。

保護者(パパ)
保護者(パパ)

保育園行きたくないよね。パパもお仕事億劫だなあ

「ママ・パパもお仕事行きたくない」と大人も本心で思っていることをそのまま語りましょう。

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登園渋りを最小化するためにできること

特に長期休暇後の初登園は登園渋りが増えます。
登園渋りを最小化するために事前にできることを紹介します。

食事と寝る時間を一定に

長期休暇中も、保育園がある日の生活のリズムを保つ努力をしましょう。一方、休暇中にはいろいろなイベントやお出かけもあり生活のリズムを一定にすることが難しいですね。

そのような場合は、日中の活動はお家の予定に合わせて楽みつつ、食事と夜寝る時間だけは保育園生活と同様の時間に合わせるのがおすすめです。

家庭では昼寝しない子はしなくてOKです。
夜寝る時間だけでも、一定に保つことで生活のリズムが維持しやすくなりますよ。

保育園への登園予定を話す

子どもが予定や見通しを立てることができるようになるのは、一般的に3歳頃からと言われています。

園児(女の子)
園児(女の子)

もう一回寝たら保育園なのかな。
でも、約束の動物園にまだ行ってないしな。

「お休みはいつまでかな、明日は保育園?」と不安になるのですね。

大人でも2日後から仕事と分かっているのと、当日いきなり仕事の日と分かるのでは、心理的負担が違いますよね。

子どもは予定を理解することが苦手なので、「あと〇回寝たら保育園」というように子どもにも分かりやすく、保育園がもうすぐ始まることを伝えられたら良いですね。

お支度を一緒にする

大人でも休暇の後は、スロースタートで仕事をはじめて徐々にギアチェンジしていきますよね。

スロースタートするときは、机の周りの整理整頓だったり、会議や出張に必要な物品の準備など緩めのタスクを選んで行いますね。

園児(男の子)
園児(男の子)

お支度をしているということは、保育園に行くということなのかな。

子どもも同じです。
保育園のお支度を一緒にしたり、保育園のお友達の話題を出すなどしながら、スロースタートしましょう。

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まとめ

保育園の登園渋りについて、原因や対策を交えて実例を交えながら解説してきました。

登園渋りがあると心配になりますが、保育園の先生からは「朝の会が始まる頃にはすぐに気持ちを切り替えて楽しく遊べましたよ」などと報告があるときもありますよね。

園児(女の子)
園児(女の子)

暴れてもだめなら腹をくくるか。じゃ、おままごとでもしましょ。

これ、本当なのです。子どもは適応能力が高いのでケロッと気持ちを切り替えて、保育園の生活に戻ることができます。

皆、登園渋りによる朝のバタバタには悩んでいます。
そんな皆のお家の朝のルーティーンについては、下の記事が参考になります。

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