共働きの現役保育士です。
保育園を選ぶときに重視することの一つが、自宅や家からの近さです。
今回は、自宅から近い保育園に通うことのメリットとデメリットを保育園の中の人の立場から紹介します。
38%が徒歩・自転車で保育園に登園
東京福祉大学院が公開している論文での調査によると、保育園児の登園手段は次のとおりに大別されます。
登園手段 | 割合 |
徒歩・自転車・車 | 37.6% |
徒歩・自転車 | 32.3% |
徒歩 | 6.1% |
徒歩・車・園バス | 5.4% |
徒歩・自転車・車・その他 | 4.7% |
登園場面における登園方法と保育者意識の関連性の検討/東京福祉大学
すなわち、37.6%の園児と保護者が徒歩または自転車・車にて登園、32.3%が徒歩または自転車で登園しています。
徒歩のみでの登園も6.1%います。
登園手段は地域性による差が大きいものの、筆者の体感でもおおむねこの調査と一致していますね。
また、晴れの日は徒歩だが雨の日は車になったり、普段歩いていても急ぐ時だけ自転車を利用したりと、子どもたちの登園手段は日によっても異なっています。

保育園には自転車やベビーカー置き場が整備されているはず。
そのまま職場に向かうこともできることも多いので、心配ご無用。
いずれにしても38%の園児が徒歩や自転車のみでの登園という結果から、多くの保育園児家庭で、保育園が自宅に近いことを重視したことが分かります。
自宅から近い保育園のメリット
自宅から近い保育園を選ぶメリットは、おおむね次の3つでしょう。
- 送迎が楽
- 急なお迎え要請に対応できる
- 小学校入学の際、友達がいる
送迎が楽
車や園バスで送迎するよりも、徒歩の方が送迎が圧倒的に楽なのは疑いの余地はありません。
車の場合は、出発するまでに車の準備が必要だし、駐車場の問題もあります。
園バスの場合でも、時間通りに集合場所にいなくてはならないのは大変ですよね。

お家を出る時間に限ってトイレに行きたくなる。
ママは「園バスに遅れるーー!」って騒いでるけど、しょうがないじゃん。
徒歩圏内に保育園があれば、靴を履いて荷物を持つだけで移動できるので楽でしょう。
また、水筒や連絡帳を玄関先に忘れるのはよくある話。

毎日、玄関出た瞬間に忘れ物思い出してるよねー。
そんな場合でも、徒歩登園なら「ちょっと家に戻って取りに行く」ということが簡単にできますね。
急なお迎え要請に対応できる
保育中に発熱や体調不良が見られた場合、保育園の先生がママ・パパにお迎えの要請をします。
お迎え要請の電話から、おおむね1時間以内で来て欲しいという保育園が多いはずです。

てゆーか、要請から1時間以内って、先生たちも難しいって思いながらお願いしてるよね。
私たちの安全のためにはそうお願いするしかないんだけど。
自宅から近い保育園なら、移動時間をかけずにお迎えに行けますね。
小学校入学の際、友達がいる
入学が迫ると気になるのが新しいお友達作りと学校に溶け込めるかという課題です。
家から近い保育園の場合は、保育園のお友達が同じ小学校に入学する可能性が高まります。
筆者の体感では、年長の4割~7割くらいが同じ小学校に入学しているでしょうか。

小学校でも同じクラスに保育園のお友達が6人もいる。
人見知りの僕には嬉しいね。
同じ保育園のお友達が小学校にもいると心強いのは確かですね。
ただ、入学する小学校にどの程度同じ保育園のお友達が入るのかは、地域による差も大きいです。
顔見知りの保護者が多い
自宅近くの保育園を利用していると、当然、ご近所さんなど保護者と顔見知りであるお家のお子さんも同じ保育園ということがあります。
入園直後は特に、情報交換ができたりもするので心強いですね。

「〇〇先生はどうですか」とか、近所の先輩ママから聞けるのはありがたい。
自宅から近い保育園のデメリット
自宅から近い保育園を選ぶデメリットは、メリットの裏返しでもあります。
送迎が楽にならないことがある
自宅と保育園が近ければ、徒歩や自転車だけで通園することができます。
一見楽そうですが、送迎が楽にならないことがあるのも事実です。
特に自転車は盲点ですねえ。
自転車で登園できる距離と言っても、子どもが自転車に乗ってくれるかどうかは別問題。
いやいや期で、全然自転車に乗ってくれず保育園に行けない・保育園から帰れないという笑えない状況に陥っているママ・パパ、たくさんいます。

自転車の他、ベビーカーもなー。
ベビーカー、今日は絶対に乗らん!!
すぐにお迎えできると思われてしまう
発熱や体調不良などにより、保育園の先生からお迎え要請の電話があることも少なくありません。
自宅から近い保育園なら速やかなお迎えができますが、逆に「すぐに来られるはず」と先生たちに思われてしまうというデメリットがあります。

「パパは今日家にいるから15分で来てもらえるねー」って先生が言っている。
私的には嬉しいけどね。
特に、在宅勤務だった場合、「ママは家にいるはずだからすぐお迎えに来られる」と思いこまれてしまうのは避けられません。
小学校入学の際、友達がいない
保育園が家から近い場合は、保育園のお友達がそのまま同じ小学校に入学する可能性が高まります。
一方、家が保育園と離れている場合は、顔見知りのお友達は一人もいない場合も。
その場合は、小学校に入学してから一から人間関係を構築していくことになります。

保育園には遠距離登園。
小学校に就学前健康診断行ったら、僕以外は同じ幼稚園のお友達同士だった。
アウェー感、半端ねー。
ただ、筆者の個人的な意見では、小学校に保育園からのお友達が一人もいなかったとしても大丈夫。
6年近くをかけ、お友達と知り合うところから、けんかをしたり仲直りして、信頼関係を構築するところまで、友達作りの一連のプロセスを経験しているのが保育園児です。

「同じ釜の飯を食った仲」っていう言葉がしっくりくるね。
お友達作りの難しさから楽しさまで時間をかけて習得してきている、保育園の子どもたちなら小学校に行っても絶対大丈夫と、筆者個人的には思います。
顔見知りの保護者が多い
保育園に顔見知りが多いことは、メリットでもありデメリットでもあります。
ママ友付き合いをするかしないかは完全に自由。
ママ友付き合いは面倒という方には、家と近い保育園だと負担に思うことがあるかもしれません。
保護者の動きを先生に見られる
保育園から見えるほど家が近い場合、保育園の先生たちが保護者の様子を目にすることがあります。
子どもが保育園にいるけど「保護者はお菓子を食べながら歩いている」とか、先生たちはよく見ています。

別に悪いことしてるわけじゃないけど、先生に見られるのは気持ちの良いことではないよね。
先生たちに自宅の玄関を入っていく姿を見られてしまうのは、気持ちがいいものではありませんよね。
まとめ
自宅から近い保育園に通うことのメリットとデメリットを保育園の中の人の立場から紹介してきました。
自宅からの近さで保育園を選ぶかどうかは、完全に個人差です。
優先順位を付けてからの保育園探しをおすすめします。
合わせて、下の保育園選びに役立つ記事も参照してくださいね。
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