共働きの現役保育士です。
保護者の目線だと分かりにくいのが保育園での過ごし方です。
筆者が勤務する園児70名ほどの保育園をサンプルに、保育園での1日のスケジュールを細かく公開します。
家庭保育とは異なる部分が多いことに気づくことでしょう。
今回は1歳児クラスに絞って、保育園での1日の過ごし方を紹介します。
他の年齢クラスの1日のスケジュールについては、次の記事で紹介していますよ。
1歳児クラスに入園・進級 0歳児クラスとはどう違う
1歳の誕生日を迎えたからと言って、子ども自身が急に何かが変わるわけではありませんよね。
ただ、保育園の0歳児クラスと1歳児クラスは大違い。
1歳児クラスになったとたん「自立」のスタートラインに立つ、そんな変化があります。
理由は、厚生労働省が定める保育士配置基準にあります。現行の配置基準は次のとおりです。
0歳児クラス:3人につき一人
1~2歳児クラス:6人につき一人(2025年度以降5人につき一人に改定予定)
3歳児クラス:15人につき一人(※新基準)
4歳児クラス以上:25人につき一人(※新基準)
参考:こども未来戦略方針
0歳児クラスでは子ども3人につき1人保育士が配置される一方、1歳児クラスになった途端に子ども6人につき保育士1人という配置基準になります。
0歳児クラスではおむつ替えも着替えも、保育士がすべて介助することも可能でした。
一方、保育士一人あたりが保育する子どもの人数が2倍の6人になる1歳児クラスでは、「身の回りのことをすべてやってあげる」ということは到底不可能です。
このため、着替えや片付けなど子どもたち自身で行えるように促していきますよ。
子どもたちの身辺自立を促すことはとても良いことなのですが、体感では、「1歳児クラスになると急に焦りだして教え始める」・・そんな現状です。
1歳児の保育園でのスケジュール
7:00 合同保育1
- 視診と検温のあと、自由遊び
- ブロックやおままごとなどのおもちゃで遊びながら過ごす。
- 登園児が少ない時間帯であるため、0歳児から5歳児クラスまで全学年での合同保育の場合が多い。
8:00 合同保育2
1歳児クラスではトイトレが始まる子も出てきます。トイトレ中の子は、合同保育中にもトイレに誘いますよ。
- 登園児が増えてくる。
- 未満児と呼ばれる0・1・2歳児と、以上児と呼ばれる3・4・5歳児とで合同保育を分ける。
- 3・4・5歳児は別室へ移動。
- ブロックやおままごとなどのおもちゃを出して遊びながら過ごす。7時からいる子は飽きてしまうため、おもちゃの種類を変更することもある。
8:50 合同保育終了
1歳児クラスになるとおもちゃの片付けも上手になります。
- おもちゃ片付け
9:00 各クラスに移動
- 各年齢クラスにそれぞれ分かれた活動を開始する。
- 1歳児クラスの保育室に移動。
- 手洗い
9:10 朝おやつ
- エプロンを身に着け朝おやつを食べる準備をする。
- おやつの歌
- いただきますの挨拶
- ごちそうさまの挨拶
1歳児になるとエプロンの着脱を自分でできる子が出てきます。2歳児クラスになるころには、ほぼ全員ができるようになります。保育士が教えます。
このため、1歳児には、自分では着脱できないボタンタイプのエプロンではなく、マジックテープタイプをお勧めしますよ。
9:15 朝の会
- 朝の会の標準的な流れは次の通り。
- 朝の歌
- 朝のあいさつ「先生おはようございます。みなさんおはようございます。」
- 季節の歌(正月・クリスマスなど行事に即した歌など)
- 出欠
- 今日の予定など先生の話を聞く
季節の歌を歌うといっても、1歳児クラスに進級直後は子どもではなく、ほぼ保育士が歌っている状態です。
でも、「もういくつ寝ると~お正月~」の歌を歌う頃には、一緒に歌える子も増えてきます。
9:20 主活動準備
- トイレ、おむつ替えを済ませる。帽子を被るなど
9:30 主活動
- 散歩・制作・室内あそびなど、天候や欠席者の状況に応じて活動内容が変わる。
- 運動会や発表会などの練習も基本的に午前中の主活動の時間に行う。
10:40 かたづけ
- 帽子を脱ぐ、おもちゃを片付けるなど
10:45 おむつ替えやトイレ・着替え
保育士がすべて介助して着替える方が早いですが、1歳児クラスでは子どもたち自身で着脱ができるよう、丁寧に教えながら着替えを進めていきますよ。
着替えをしていると、お家でどのように着替えをしているのかが一目瞭然です。
11:05 給食準備
- エプロンをつける、配膳、消毒
11:15 給食
- 給食の歌「給食、給食うれしいな、お手々もきれいになりました。」
- いただきますの挨拶
- 食事
- お茶を飲む
- エプロンを外し口を拭く
1歳児クラスでは、スプーンの持ち方や左手はお皿に添えることなどを保育士が声掛けしながら、食事を進めていきますよ。
11:35 ごちそうさま
- ごちそうさまの挨拶
11:40 午睡準備
- トイレ・おむつ交換など。
- 職員が布団を敷く。
- 午睡に入る前に読み聞かせや手遊びなど。
- 同時に、職員が給食のあとの片付けと布団敷きを行う。
1歳児の給食の後は、机の周りに食べこぼしが散乱。清掃する間、子どもたちには部屋の端に寄ってもらい、読み聞かせや手遊びなどをして過ごします。
12:00 午睡
- 職員は、日報などの事務処理、制作活動の準備、発表会などの準備、掃除、職員会議などを済ませる。途中、昼食をとる。
14:45 目覚め
- 布団片付け
- おむつ交換・トイレ
- 検温
- 手洗い
15:20 おやつ
- おやつの歌
- いただきますの挨拶
- ごちそうさまの挨拶
15:45 帰りの会
- 帰りの会の標準的な流れは次の通り。
- 今日やったことなど振り返り
- サヨナラの歌「今日も楽しくすみました。なかよしこよしでかえりましょう。」
- かえりの挨拶
- カバンをしまうなど降園準備をする。
- 16時からの合同保育まで時間があるときは、手遊びや読み聞かせ、お絵描き等の活動を行う。
1歳児クラスも後半になると
15:55 合同保育準備
- トイレ・おむつ交換
- 合同保育の保育室へ移動など。
16:00 合同保育3
- 0・1・2歳児と3・4・5歳児の2つに分けた合同保育
- 自由遊び
- ブロックやおままごとなどのおもちゃを出して遊びながら保護者のお迎えを待つ。
18:00 合同保育4
- 延長保育と呼ばれる時間帯
- 0歳児から5歳児まで全クラスの合同保育になることが多い。
18:05 補食
- 小さめのおにぎりやパンなどの軽食とお茶
- 読み聞かせやおもちゃ遊びなどをしながら保護者の迎えを待つ。
- 補食を食べたあとは合同保育を再開する。
まとめ
中規模保育園を例として、1歳児クラスにおけるスケジュールを紹介しました。
スケジュールは、保育園の規模や職員数によっても異なるため、利用中の保育園の先生に詳しく聞いてみるのがおすすめです。快く教えてくれるはずですよ。
他の年齢児クラスの1日のスケジュールや全年齢共通のスケジュールについては、次の記事で紹介しています。
こちらも合わせてご覧くださいね。
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