2023年7月25日、和歌山県田辺市の認可外保育施設「託児所めぐみ」で、生後5カ月の女の子がうつぶせのまま意識不明となり、その後亡くなりました。
田辺署は28日、業務上過失致死の疑いで、施設代表の60代の女性保育士を書類送検しています。
司法解剖の結果は「ベビーベッドの上でうつ伏せで発見」、死因は「窒息の疑い」とされています。
現役保育士の見解
非常に辛い事故です。
保育士としても一保護者としても「明日は我が身」と言う言葉が、どうしても最初に出て来ます。
託児所で代表を務める女性が遺族にしたという説明によると、この日、施設にいた保育士は代表の1人だけでした。
一方で、子どもは女の子を含む0歳~6歳の4人。
当時、代表と子ども3人は同じ部屋にいたが、女の子は別の部屋のベビーベッドで寝かされていたとのことです。
国の指導監督基準を守れば防げたのか
この事故で論点の一つとなっているのが、保育従事者数についてです。
国の指導監督基準によると、この規模の認可外保育施設では保育従事者が最低でも2人以上必要とされています。
認可外保育施設指導監督基準
1 保育に従事する者の数及び資格
(1)保育に従事する者(常勤職員)の数は、原則として施設の開所時間については、乳児おおむね3人につき1人以上、満1歳以上満3歳に満たない幼児おおむね6人につき1人以上、満3歳以上満4歳に満たない幼児おおむね20人につき1人以上、満4歳以上の幼児おおむね30人につき1人以上であること。ただし、常時2人以上であること。認可外保育施設指導監督基準/内閣府地方創生
この施設では当時、保育にあたっていた保育従事者数は代表の一名のみでした。
一方、常時2名以上、国の配置基準以上の職員を確保しておくことは実質不可能に近いことです。
保育士も人間。当日、体調不良になることもあります。
そうなると、職員は一人欠けるが、保育を希望する家庭に「配置基準を満たせないため、今日は来ないでください」とも言えません。
今回は認可外保育施設について議論されていますが、認可保育園でも同様の状況です。
事故当日2名以上、保育従事者がいれば事故を防げたのかもしれないし、そうではないかもしれない。
一方、毎日欠けることなく、配置基準以上の職員を確保する制度も確立されていない。
ただただ、「どうすれば」と辛い気持ちで考え続けるしかできない筆者です。
まとめ
2023年7月25日、和歌山県田辺市の認可外保育施設での事件について、紹介してきました。
その他の保育園での事故に関するニュースは、下記を参照してください。
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