2024年12月26日、宮城県仙台市が認可保育所「富沢アリス保育園」に対し、児童福祉法および子ども・子育て支援法に基づく行政処分を行ったと発表しました。

処分理由は、保育士の配置基準を満たさないままで運営していたため改善勧告を行ったものの、十分な改善が図られなかったというものです。
改善命令の内容は次のとおりです。
- 期日までに配置基準を満たす保育士を確保すること
- 保育士の離職が続く理由について、組織的に検証すること
- 保育士離職予防のための具体的な対策およびその実施計画を策定すること
- 策定した実施計画を履行し、保育士の定着を図ること
現役保育士の見解
具体的には、保育士配置基準を満たしていない時間が複数回あることが確認されるなど、保育士配置基準違反をしているというものです。
2024年10月4日13時ごろから14時20分ごろ、本来、保育士7名の配置が必要であるところ、所内にいた保育士は2名。
最大で5名の保育士が不足していた時間があることが確認されたということです。
どこにでもありうる保育士配置基準違反
本来7名必要なところ2名しか保育士がいなかったというのは、少なすぎるとは思います。
ただ、はっきり言って、多くの保育園が一時的に保育士配置基準を満たしていない日や時間が相当数ある状態という保育園もあるでしょう。
保育士だって人。
保育園内で胃腸炎や風邪などが流行れば、感染して勤務できない日もあります。
この場合、休んでいる保育士の穴をフリーの保育士がいればフリーの保育士が、いない場合は他のクラスの保育士が埋めることになります。
フォローに入る保育士が元々受け持っているクラスは、他のクラスと合同保育にするなどして、残りの保育士で2クラスをまとめて保育するなど苦肉の策を取らざるを得ません。
勤務できない保育士が1人ならまだしも、2人3人いた場合は?
保育士配置基準を満たせない日、「今日は、保育士数が確保できないので登園しないでください」と言われて、登園を控える保護者はいますか?
そもそも、現状の法律・法令では、保育園側が登園を拒否する権利は一切ありません。
新型コロナの大流行期においても同様で、保育園に認められているのは登園自粛の”お願い”のみでした。
※小学校や幼稚園など学校には学校保健安全法に基づき、一斉休業が認められています。
第二十条 学校の設置者は、感染症の予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる。
学校保健安全法
また、保護者のために開催する運動会や発表会などの練習においては、保育する保育士の他、大道具の準備や運営をする保育士も必要になるので、保育士は現場にはいても実際に保育している人数は足りていないのが現状です。
保育士不足の問題において、行政がすることは指導ではなく、現状の法律や法令を見直すことや人材を確保するための施策を練ることであると強く思います。
まとめ
2024年12月26日、宮城県仙台市が発表した保育士配置基準違反事例について、紹介してきました。
不適切保育に関するニュースは、下記を参照してください。







この記事へのコメント
「ただ、はっきり言って、多くの保育園が、一時的に配置基準を満たしていない冷や時間が相当する状態でしょう。」
と言う状態が存在するわけはありません。
配置基準は最低基準なので、そもそも配置基準もギリギリの職員配置をしているような保育園はありません。
急な休みの場合などは、当然に時折発生することですから、保育士が熱を出したり、風邪をひくなどで急に休んだとしても、
配置基準を満たさない状態になる保育園など、ありません。
まともな保育園では、まずあり得ません。
世の中には、偽物の「保育士」を名乗る情報の流布していますが、
保育園は児童の福祉を守る責任を持って、しっかり運営していますので、保護者の方は、ご安心いただければと思います
関係者様、コメントありがとうございます。
すべての保育園が、”配置基準を満たさない状態になる保育園など、ありません”となる日が来ることを願っております。
”多くの保育園が”は言い過ぎとも思いましたので、その点訂正しました。