2025年10月10日、東京都新宿区の認可保育所「新宿こだま保育園」で2025年8月、保育士が食事を嫌がる園児の頭をたたく不適切保育があったことが判明しました。
毎日新聞の情報提供窓口「つながる毎日新聞」への投稿を基に毎日新聞が行った取材で判明しています。
現役保育士の見解
不適切保育が判明するまで
新宿こだま保育園での不適切保育が発覚するまでの時系列は次のとおりです。
8月27日
一時保育で同園を利用した園児、昼ご飯を数口しか食べず。
8月27日 帰宅後
当該園児が保護者に「先生に頭をたたかれるから行きたくない」と話す。
8月28日
保護者が同園に問い合わせ。同園は当初否定。
同園が保育士に確認したところ「たたいてしまったかよく分からない。肘がぶつかったことにしてほしい」と話したという。
8月28日以降
同園は防犯カメラの映像で事態を把握。保護者に謝罪。
当該保育士は退職。
9月1・2日
同園から報告を受けた区が立ち入り調査。
9月12日
区が再発防止を指導する特別指導検査を実施。
9月24日
区が「児童の人格を尊重した保育が行われていない」とする文書を送付し、30日以内に改善状況報告書を提出するよう求める。
10月8日
同園が保護者向けの説明会を開き園長が経緯を説明。
過去には大量離職
本サイトは、不適切保育が発生する保育園はその運営法人に問題が潜んでいる可能性が高いという立場です。
2014年、8名の保育士が新宿こだま保育園をいっせいに退職。
保護者らが、文教子ども家庭委員会に陳情を提出する事態に陥っていました。
陳情の抜粋は次のとおりです。
- 経験豊富で保護者からの信頼が厚かった先生方が相次いで退職に至った。
- そうした事態に対して受託法人(社会福祉法人 呉竹会)から十分な説明がなされなかったため、保護者に不安が募っている。
- 相次いで退職された8名の職員は、「園長を含む法人経営陣からの度重なるパワーハラスメントを受けて退職に追い込まれた」と説明している。
- 保護者は、法人に対し経緯・原因についての説明を繰り返し要求してきたが、真摯な対応姿勢が見られない。
- むしろ法人は、「本人たちの意思や都合による退職である」等の虚偽と思われる説明をしている。
- 保護者から慰留を要請しても具体的な努力は無く、退職を確定させようとする姿勢すら窺えた。
- 新宿こだま保育園では、開園直後から上記の問題を含め一部職員への不適切な人事給与面の措置が続いていた。
- 2012年には職員に対する不適切な降格人事の撤回を求めて、保護者たちによる180通以上の署名嘆願書が法人理事会および新宿区に提出された。
これから保育園探しをする保育士や保護者には、このような法人が運営する保育園は選ばないように注意して欲しいですね。
まとめ
2025年10月10日に明らかになった、東京都新宿区の認可保育所「新宿こだま保育園」での不適切保育について紹介しました。
他の不適切保育に関するニュースは、下記を参照してください。
一方、不適切保育があるのは事実ですが、保育士全員を同じ目で見て欲しくないというのが現役保育士としての願いです。
保育園生活の実態については、漫画「実録 保育士でこ先生」あたりも読んでみてくださいね。
保育士と園児とのやり取りを正確に描きながらも、マンガとして面白いです。

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