共働きの現役保育士です。
4月の一斉入園に落ちたが年度途中からの入園許可が出た場合、保育園に年度途中から入園することになります。
今回は、そもそもなぜ空きが出たのかや途中入園することのデメリットに加え、入園までにやっておくべきことまで、現役保育士の立場から解説します。
なぜ欠員が出た?保育園に空きが出る理由
入園を希望していた保育園に欠員が出て空きが生じると、途中入園の子どもを受け入れることができます。
追加募集が行われる5月や、転勤や引っ越しが増える9月・10月頃は欠員が出て途中入園の可能性が高まるなどと言われています。
現役の保育士である筆者としては、当たらずも遠からずといった印象ですね。
次は、筆者が勤務している保育園における今年度の園児の退園・入園状況を列挙したものです。
4月の一斉入園時の状況
- 0歳児クラス:全員新入園児
- 1歳児クラス:1/2が新入園児、残りが0歳児クラスからの在園児
- 2歳児クラス:2割が新入園児。3月末で1歳児クラス退園者が出たため新入園児を受け入れ
- 3歳児クラス:25%が新入園児。3歳児クラスからは定員増加することに加え、3月末で2歳児クラス退園者が出たことによる新入園児受け入れ
- 4歳児クラス:入園希望者なしのため新入園児なし。全員3歳児クラスからの持ち上がり。
- 5歳児クラス:入園希望者なしのため新入園児なし。全員4歳児クラスからの持ち上がり。
4月以降の途中入園児受け入れ状況
- 7月:0歳児クラスにおいて1名退園(退園理由:引っ越し)。6月追加募集、1名途中入園。3歳児クラスにおいて退園(退園理由:引っ越し)。6月追加募集、1名途中入園。
- 9月:2歳児クラスにおいて1名退園(退園理由:引っ越し)。8月追加募集、1名途中入園。
- 11月:3歳児クラスに1名途中入園。他の地方からの引っ越しに伴い。
- 12月:2歳児クラスにおいて1名退園(退園理由:幼稚園へ転園)
- 1月:4歳児クラスに1名途中入園。他の地方からの引っ越しに伴い。
この時系列を見ても想像がつく通り、途中入園できるチャンスが5月・9月・10月などと言われていますが、実際は状況により異なることが分かります。
また、居住地によっても大きく異なります。
筆者の勤務園においては、今年度退園した子の退園理由はほぼ全員引っ越しですが、転勤などの仕事理由よりも両親が別居・離婚したため引っ越したというものが多かったです。
なお、2歳児クラスにおいては幼稚園への転園を検討する家庭もいます。
年度途中で退園してプレ幼稚園に参加しつつ、4月の新年度に備える家庭もいるため、2歳児年度途中で空きが生じる可能性が高まります。
転園などにより園児数が減ったという理由以外に、保育士が採用できたため受け入れられる人数が増えたというのも途中入園が許可される理由に挙げられます。
保育園に年度途中入園するときの流れ
一斉入園で落ちたものの、空きが出て途中入園する場合の入園までの流れは次のとおりです。
1. 市区町村から入園許可通知が届く
入園許可・選考結果の通知は、入園許可日の数週間前です。通知方法や時期は市区町村によって異なります。
2. 入園する保育園から連絡が来る
入園が決定すると入園予定の保育園から連絡が来ます。電話で来ることが多いでしょうか。
3. 保育園入学面談や見学に行く
保育園の担当職員と打ち合わせた日時に面談に行きます。保育園の概要説明や持ち物などの説明を受けます。説明を受けると同時に、園内を見学させてもらえることもあります。
4. 書類を提出する
入園説明でいくつか書類の提出を求められます。就労証明書など保育の必要性を認定する書類です。途中入園の場合、入園許可が出てから入園までの期間が短いため、これらの書類は初登園の日まで提出を待ってもらえることが多いでしょう。
5. 健康診断に行く
入園前の健康診断に行きます。入園説明会で指定された保育園の指定医にて診断を受けます。
6. 入園
慣らし保育を開始します。慣らし保育の期間は入園説明面談のときに保育園の職員と打ち合わせしますよ。
途中入園の場合の保育園見学
入園前の面談は多くの保育園で行いますが、見学の機会は特に設けていない場合もあります。
保育園の職員は多忙なので、単に余裕がないというのがひとつの理由です。
また、途中入園の方の面談は午睡中に行われることが多く、見学者が来ると寝ている園児が起きてしまうため見学を控えてもらうことがあります。
とはいえ、入園予定の保育園は見学しておきたいですね。
この場合は、途中入園が決まって保育園からの連絡があった際に、「入園するクラスだけでも見学させてもらえますか」と事前に希望しておくとスマートですよ。
保育園見学できる場合は、次の記事を参考に先生や在園児を観察してくださいね。
見学できない場合でも大丈夫。次の方法で園外から保育園の様子を知ることができます。
途中入園のデメリットと解決方法
子どもにストレスがかかる
4月以外の途中入園では、周りのお友達が新年度の生活に慣れたところに入っていくのですから、子どもにも相当なストレスがかかることは容易に想像できるでしょう。
特に、3歳児以上クラスでは、もう大きいから大丈夫だろうとほぼ慣らし保育なしというスケジュールを組みがちです。
大人と同様、子どもも入園初日は気が張っていて元気に過ごしても、数日後に急に疲れが出てくることがあります。
仕事の状況が許す限り、十分な慣らし保育期間を確保したり、最初の数週間だけ4日登園1日休みなど無理のない登園スケジュールを組みましょう。
途中入園で子どもが受けるストレスについては、次の記事も参考にしてくださいね。
運動会や発表会がプレッシャーに
意外と盲点なのが運動会や発表会などの大型行事と入園との関係です。
行事の練習が入ってくる時期に途中入園すると、子どもにとっては、新生活に慣れることと同時に行事の練習もこなさなくてはいけないというかなりのプレッシャーとなります。
入園説明会などで大型行事の日程を確認し、入園してすぐに行事があるようであれば、行事への参加を見送ることも視野に入れ、担任の先生と相談をしましょう。
行事に参加しない場合でも、当日は観客として見学させてもらえたり写真撮影だけクラスのお友達と参加させてもらえるはずです。
行事に参加しない場合、練習時間中は一人で見学などになってしまうものの、他のお友達がこれまで練習してきた演目を、後から追いかけてすべて覚えるというプレッシャーを受けずにすみます。
0歳児クラスに途中入園か1歳まで待つか問題
0歳児クラスへの途中入園が可能になった場合、急に子どもと離れがたくなるのか、1歳児クラスの4月入園まで待とうかと思う方もいらっしゃるでしょう。
0歳児で保育園に預けるメリットとデメリットの両方がありますが、筆者としては許可が出たのであれば、0歳児においては途中入園の方をおすすめします。
理由は、厚生労働省が定める保育士配置基準にあります。2024年現在の配置基準では次のとおりです。
保育する年齢:保育士の人数
- 0歳児クラス:3人につき一人
- 1~2歳児クラス:6人につき一人(※5人につき一人に改正予定)
- 3歳児クラス:15人につき一人
- 4歳児クラス以上:25人につき一人
0歳児クラスでは子ども3人につき1人保育士が配置される一方、1歳児クラスになった途端に子ども6人につき保育士1人という配置基準になります。
1歳児クラスよりも保育士が多く配置される0歳児クラスのうちに、保育園生活に慣れておけるというメリットがあります。
まとめ
そもそもなぜ空きが出たのかや途中入園することのデメリットに加え、入園までにやっておくべきことまで、現役保育士の立場から解説してきました。
子どもの保育園入園は大人の転職と同じように捉えると、子どものストレス度合いが想像しやすいはずです。
また、子どもは大人が思う以上に強く、どの途中入園の子も、朝泣いて登園しても30分後には元気になっているので過度な心配は不要ですよ。
転園や途中入園については、次の記事も参考になります。
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