共働きの現役保育士です。
絵本のキャラクターの中で今、子どもにも大人にも人気ナンバーワンなのは「パンどろぼう」とその仲間たちでしょう。
保育園内でも、パンどろぼうグッズを使っている子がたくさんいます。
今回は、「パンどろぼう」はなぜ人気なのか現役の保育士の立場から考察してみたいと思います。
パンどろぼうとは
「パンどろぼう」は、柴田ケイコさん作で2020年に第1版が公開された絵本シリーズです。
2025年現在6冊が出版されています。
1.「パンどろぼう」
作:柴田 ケイコ
初版:2020年4月
パンがパンをどろぼう!
「おれは パンどろぼう。おいしいパンを さがしもとめる おおどろぼうさ」
さて、その正体は?
2.「パンどろぼうvsにせパンどろぼう」
作:柴田 ケイコ
初版:2021年1月
パンどろぼう、パン屋のおじさんにさとされて、りっぱなパン職人になりました。
パンどろぼうが働く世界一おいしい森のパン屋に、新たなパンどろぼうが!
1作目を読んでいなくても楽しめますが、1作目から読んだ方がクスリっと笑える場所が増えます。
3.「パンどろぼうとなぞのフランスパン」
作:柴田 ケイコ
初版:2021年10月
パンどろぼうが働く森のパン屋にある日、忍び寄る謎の影。
影の正体は?
パンどろぼうの天敵、あの人(動物)との勝負はどうなるのでしょうか。
4.「パンどろぼう おにぎりぼうやのたびだち」
作:柴田 ケイコ
初版:2022年9月
パンどろぼうなのにお話はおにぎり屋を舞台に展開します。
おにぎり屋をいとなむおにぎり一家の「おにぎりぼうや」は、おにぎりばかりの食卓にうんざり。
家をとびだしたその先で、旅人のおじさんから見たこともない食べものをすすめられます。
「う・・・うまい」
その食べものとは?
おいしい食べ物の名前がたくさん登場するので、1-2歳児にもウケがいいです。
また、本作はどちらかというとパンどろぼうファンに向け描かれているので、第1作「パンどろぼう」を読んでから読むことをおすすめします。
5.「パンどろぼうとほっかほっカー」
作:柴田 ケイコ
初版:2023年9月
パンどろぼうに「愛車」が登場です。
ヤギのおばあさんの頼みで、パンを届けにでかけたパンどろぼう。
なかなかたどりつかずうなだれる横を、一台の車がとおりすぎます。
ほかほかのパンとほかほかの想いをのせて、「ほっかほっカー」が走ります。
個人的にはほっかほっカーは、下でも紹介しますが図解がおもしろい絵本なので、4歳以上だとより楽しめますよ。
0-2歳児には少し難しいかもしれません。
保育士目線だと本作は対象年齢を変えた意欲作なのだなと感じます。
6.「パンどろぼうとりんごかめん」
作:柴田 ケイコ
初版:2024年9月
主役はパンどろぼうではなくりんごちゃん。
にわとり一家がいとなむコッコ農園へ、パンをとどけにやってきたパンどろぼう。
なにものかに農園があらされていることを知り、みまわりに出かけると・・。
「うまそうなパンが あらわれたブヒ」「たべてやるブホ」
ピンチにおちいるパンどろぼうの前に現れたニューヒロインは誰だ?
パンはそんなに出てこない本作。
りんごかめんに注目です。
パンどろぼうはなぜ人気なのか理由5つ
パンどろぼうの見た目がかわいいから
2025年、子どもたちから不動の人気を誇るのがこの人(ねずみ)パンどろぼうです。
つぶらなお目目に短い手足、小ぶりなお鼻。
サンリオやプリキュアなど”THEかわいい”、正統派キャラクターとは一線を画すビジュアルがたまりません。
パンどろぼうグッズは、グッズもトンガってて、攻めてきている感があります。
たたむと森のパンやのお店の形になるエコバッグ。
ナニコレかわいい。
お仕事のお供に。
みんな大好きパンが題材だから
パン、嫌いな人は少ないですよね。
大人も子供もパンは大好きな人が多いのではないでしょうか。
3大欲求のひとつ”食”の話題は子どもにも分かりやすく、食べ物を題材にした遊びは保育園でも良く展開します。
パン屋さんの手遊びなどもウケがいいですしね。
パンどろぼうのパンのレシピ。
自宅でパンを作るという実体験を提案しているのも上手いですね。
「せかいいちおいしいもりのパンや」のパンが焼ける?!
ありえない設定
(ネタバレあり)
パンを題材にしたお話を作ろうと思い立ったとして、パンの中身がネズミとか考えつかなくないですか?
自分でパンに変装しておいて、「なんだこのパンは?!」と問われると必ず「オレはパンじゃない」と否定するパンどろぼうです。
「パンどろぼうとなぞのフランスパン」で登場するフランスパンなどわき役たちも同様で、パンか?と問われると、ネコであると怒っています。
ページをめくって「んなアホな?!」と誰もが笑ってしまう設定なのもパンどろぼうが人気の理由ですよね。
パンやのおじさんはパンやなのにパン作りが上手くないとか。
インパクトある構図
マンガでも、キャプテン翼なら翼くんがシュートを放つ瞬間、ドラゴンボールならかめはめ波を放つ瞬間は、大胆に1ページないしは2ページをぶち抜きで大きく描かれていますね。
こんなマンガのコマ割りのような手法が、パンどろぼうでは全作で採用されています。

これまでの絵本にない斬新な変顔
ビジュアルのかわいらしさはもちろん、シュールな笑いがイマドキの園児に刺さっています。
かつて、サッカーの大迫選手のライバルが「大迫半端ねー」と叫ぶ姿がイラスト化され話題になったのと同じ感じですかねえ。
いや、ちょっと違う?
「パンどろぼうとほっかほっカー」ではこんな感じ。
かわいいキャラの変顔がまたかわいいですねえ。
まとめ
子どもにも大人にも大人気絵本シリーズ「パンどろぼう」。なぜ人気なのか現役の保育士の立場から考察してみました。
パンどろぼう以外にも絵本発の人気キャラクターがたくさんいます。
絵本の人気キャラクター勝手にランキングは下の記事で紹介していますよ。
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