保育園で不適切保育が報道|給食中の行為が問題になった事例から考える現役保育士の視点

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2023年10月23日、名古屋市は、市内の二つの保育園で、2時間以上給食を園児に食べ続けさせたり、吐き戻すまで食べさせたりするといった身体的・心理的虐待があったと発表しました。

同日、児童福祉法にもとづく再発防止を求める改善勧告を出しています。

虐待が確認されたのは認可保育所Aと小規模保育事業所Bです。

認可保育所Aでの不適切保育

不適切保育ニチイ学館

引用:ニチイ学館

4月以降、5歳女児が「食べると言ったものはきちんと食べないとダメ」などと言われ、吐き戻すまで給食を食べさせられていました。
他にも、3~5歳クラスで複数の園児が完食まで2時間以上給食を食べさせられるなど、保育士4人による虐待行為が5件確認されています。

認可保育所Aでは、2015年度にも園児の口に食べ物を押し込んだり、たたいたりといった行為で改善勧告を受けており、今回で2度目となっています。

現役保育士からの見解(吐くまで食べさせた事例について)

園児が食べたものを吐くまで、嫌いな給食を食べさせたという事例。

「嫌いなものでもまずは1口」という方針の元、スプーンで口に食べ物を入れる保育士、少なくないですね。

背景として、子供のためというよりは給食の先生が「◯◯組は給食の残量が多い」と園長に報告をすることも多いため、極力残量を減らすように担任たちが努力しなくてはならないという事情があります。

そして園長は、園児の身体的な成長の伸び幅を市役所に報告する義務を負っている。このため、「嫌いなものはどんどん残してね」とは言えないという背景があります。

現役保育士からの見解(長時間食べさせ続けた事例について)

給食を2時間以上にわたって食べさせ続けたという事例。

野菜が嫌いな2歳児に対し、1時間程度座らせて食べるよう促した先生、実際いましたね。

長時間食べさせ続けるというのは望ましくありませんね。
その間、他の友だちが行っている活動に参加できないのはもちろん、給食の時間自体が嫌になってしまいますよね。

小規模保育事業所Bでの不適切保育

保育士1人が0~1歳児に対し、無理やり頭の向きを変えて給食を食べさせたり、机や床に落ちた食べ物を食べさせたりといった虐待行為が5件確認されています。

現役保育士からの見解(床に落ちた物を食べさせた事例について)

園児が吐き出して机の上や床に落ちた食べ物を再び園児に食べさせたという事例。

上記の1時間程度座らせて食べるよう促した先生は、吐き出した食べ物を再び園児の口に入れるという行為をしていましたね。

園児(女の子)
園児(女の子)

不適切保育をする先生は、固定してるよね。

ちなみに、床に落ちた物を食べさせるとかありえませんが、落とすことを前提に多めに給食を作ることはしないので、一度落としてしまうとおかわりがないことが多いです。

現役保育士からの見解(食べ物が床に落ちたことに対し謝罪を要求した事例)

食べ物が床に落ちたことに対し「ごめんなさいは」と謝罪を要求したという事例。

誰に対してごめんなさいなんだか意味が不明です。

そもそも、給食はその保育士が作った物じゃなくて、調理師さんが作ってくれたものだし。
この保育士、自分に謝らせるなんて、プライベートが上手くいってないのかなと邪推してしまいます。

落としたことに対し謝罪を要求する先生はどうかと思いますが、落ちた食べ物を「自分で拾おう」ということは、大きい子のクラスでは当たり前の習慣として行っています。

大人でも自分で落とした物は拾って、床をきれいにするのは当たり前ですからね。

園児(男の子)
園児(男の子)

遊んでいて食べ物を落としたのなら「食事中は遊ばない」と先生から注意を受ける。
大きい僕は、自分で落としたものは自分でティッシュで拾うよ。

園児(女の子)
園児(女の子)

落としたくなくても落としてしまうことはある。
「ごめんなさいは」とか言われたことないな。

 

不適切保育が報道される背景(一般論)

不適切保育として報じられる事例の多くには、保育環境の構造的な要因が影響していることが読み取れます。

たとえば、

  • 人手不足による過重労働
  • 経験の浅い保育者への負担
  • 園内の意思疎通不足

などが、複合的に絡んでいるケースが少なくありません。

これは、ある一つの園だけの特徴ではなく、業界全体に共通して見られる背景として理解されています。

保護者の不安を現役保育士の立場から整理すると

※以下は、特定の園や今回の事案を評価・推測するものではなく、保育業界を見てきた立場から整理した一般的な視点です。

報道を見て多くの保護者が感じるのは、

  • 「うちの子は大丈夫だろうか」
  • 「他の園でも起きているのではないか」

といった不安です。

こうした感情は自然な反応ですが、感情だけで判断を急ぐと誤解や不必要なストレスにつながることがあります。

大切なのは、「感情」と「事実」を分けて考えることです。

感情と事実の切り分け方

不安や恐怖は、強い言葉や映像によって増幅されがちです。
しかし、報道されている情報は「特定の事象」であり、それがすべての園や保育者を表しているわけではありません。

まずは、以下を整理してみましょう。

  • 報道された内容と自分の園との違い
  • 目の前の子どもの普段の様子
  • 園との日ごろのコミュニケーション

これらを確認することで、「感情的反応」から少し距離を置き、冷静に考える材料が得られます。

ニュースを見たあとの「安全な次の一手」

報道を見たあと、すぐに行動に移す必要はありません。
まずは気持ちを落ち着けながら、「何が起きているのか」を整理することが大切です。

不安が強い場合は、次の記事も参考になります:

不安を感じたときに知っておきたい考え方

まとめ|すべての園が危険ではない

保育園には、日々丁寧に保育を行い、子ども一人ひとりと向き合っている園も多数あります。

決して今回の報道だけで、すべての園を評価してしまう必要はありません。

普段の子どもの様子や、園とのコミュニケーションを通じて、安心できる材料を一つずつ積み上げていくことが大切です。

※不適切保育に関するニュースは、時期や地域ごとに複数報道されることがあります。
当サイトでは、個別の事例を断定的に判断するのではなく、過去の報道を一覧で確認できるページも用意しています。

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