共働きの現役保育士です。
仕事が休みの日は子どもを保育園に預けて、自分も買い物や美容院に行きたいですよね。
保育士の筆者ですが、仕事が休みの日に保育園に子どもを預けたことがありますよ。
今回は、親の仕事が休みの日にも保育園に子どもを預けられるのかの問いに答えつつ、トラブルなく預ける方法を、現役の保育士の立場から伝授します。
法律上は仕事が休みでも保育園に行ける
厚生労働省の保育所保育指針では、保育園の役割に子育て支援も含むと明記されています。
1 保育所における子育て支援に関する基本的事項
(1) 保育所の特性を生かした子育て支援
ア 保護者に対する子育て支援を行う際には、各地域や家庭の実態等を踏まえるとともに、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重すること。
2 保育所を利用している保護者に対する子育て支援
(3) 不適切な養育等が疑われる家庭への支援
ア 保護者に育児不安等が見られる場合には、保護者の希望に応じて個別の支援を行うよう努めること。
引用：保育所保育指針／厚生労働省
よって、制度上は親のリフレッシュを目的に子どもを保育園に預けることは問題ありません。
休みの日の利用可否は保育園によって異なる
法律や制度が丸ごと現場に適用できないことがあるのは、保育園以外の施設でも同様ですよね。
いくら法律でリフレッシュ目的の保育園利用は可能と言っても、現場の受け入れ体制が整わなければ無理というものです。
保護者が休みの日の対応については、各保育園ごとに異なります。
保育園ごとの立場により、次のようにアナウンスされているはずです。
1.休みの日は登園不可
- 保護者のうちどちらかでもお休みの日は登園不可。家庭保育してください。
強！！！
2.休みの日は家庭保育推奨
- 保護者がお休みの日は是非ご家庭でお子さんとお過ごしください。
- 保護者がお休みの日は早めのお迎えにご協力をお願いします。
お盆や正月なら「家庭内で素敵な思い出を作ってください」とかありがちね。
3.リフレッシュ目的の登園も推奨
- 保護者がお休みの日もリフレッシュのために預けて大丈夫です。
「親のリフレッシュのために積極的に子供を預けてください」って、あえて書く保育園は少数派じゃ。
ぎりぎりの職員数で毎日を回している保育園。
仕事が休みの日に子どもを預けても良いといっても、際限なく利用されると運営が危ぶまれるため、仕事が休みの日は利用を控えて欲しいと訴えているのですね。
仕事が休みの日に預けている人の割合
保護者が休みの日の登園については、「休みの日は家庭保育推奨」か「休みの日は登園不可」という立場の保育園が9割近いと思います。
一方、両親のどちらかが休みの日でも子どもを預けた経験がある方が10割近いのではないでしょうか。
筆者自身もありますよ。
ただ、週に1回以上、仕事が休みの日の登園がある子のパターンはだいたい決まっています。
あるあるなのはこんな感じ。
不動産業で勤務
不動産業界は毎週水曜日がお休みのようです。保護者から提出される就労証明にも水曜日休みと記載されています。
でも、両親のうちどちらかが不動産業で勤務の園児、水曜日にお休みする子ってほぼいないですねえ。
不動産業の方は仕事の時はスーツが多い。
休みの日と服装のギャップが大きくなるので、お休みが分かりやすいねー。
そして、土曜日は出勤なので週６日、登園しています。
ここで「水曜日は仕事お休みですよね！家庭保育してください」とはっきり告げる保育園と、もやもやしながらも受け入れる保育園とがありますね。
パパだけ平日休み
全員をひとまとめにするのは良くないのですが、パパは平日休みだがママは仕事というお家の場合、パパのお休みの日にも登園している割合は非常に高いと感じます。
ママが平日休みの場合は子どもも保育園を休む割合が高いですねえ。
だって、
私が今日、仕事休み取れたので子どももお休みします。
っていう欠席連絡は、ママ率が非常に高いですからね。
お休みが取れるかなんて、数日前から分かっていることも多いでしょうに。
「子どもは保育園に預けて自分がゆっくりしたいな」っていう気持ちと「子どもと一緒に過ごす時間を増やさなくては」っていう気持ちで揺れて、当日の朝子どもと一緒に過ごすことにしようと決断したのだと解釈しています。
仕事お休みなんだからゆっくり休んでいいんだよー。
ちなみに、仕事が休みの日に保育園を利用した場合、先生たちには仕事が休みということはばっちりバレていますよ。
在宅勤務もバレています。
先生にバレたからってどうってことないんだけどね。
先生たちが「〇〇ちゃんちパパ、休みだよね」って噂話するくらいさ。
保育園の先生たちがどのように保護者の仕事の休みを見極めているのかは、下の記事で紹介していますのでご参照くださいね。
仕事休みの日に保育園を利用する方法
職員数が足りずに業務が逼迫している保育園では特に、仕事が休みの日の保育園利用には難色を示すでしょう。
そのような保育園でもやむを得ず子供を保育園に預けたい場合にできることを紹介します。
保育園を利用したいと正直に相談する
「仕事はないけど登園したい」と、理由を正直に説明して堂々と子どもを預けるという方法が子どもと保育園にとっては一番です。
仕事ということにして保育園に登園しても良いのですが、保育中の体調不良があったときなどに混乱が生じます。
保育園には緊急連絡先を通知しますが、本来予定された場所ではないところに保護者がいると、万が一の緊急時に連絡が取れなくなってしまうためです。
スマホにつながらないのでママの職場にかけたら、「今日は非番ですよ」って返ってきて、先生があたふたしてた。
保護者が休みの日は家庭保育一択という保育園の場合は、正直に「仕事はないけど登園したい」と相談する方が無難でしょう。
「仕事と子育てで辛いので休息がしたい」と悩んでいるのに「絶対ダメ」とは返しにくいものです。
緊急連絡先の優先順位を見直す
保育園への入園時などに緊急連絡票といった書類を記入したはずです。
そして複数の連絡先に、保育園側から連絡する優先順位を記入する欄もあったことでしょう。
優先順位に職場の番号を「1番」と指定していると、当然のことながら仕事が休みだろうが、保育園から職場に電話がかかってくることがあります。
電話を取った職場の同僚「？？？本日◯◯さんはお休みですが・・」
保育士「失礼しました」 （ガチャ：電話を切る）
保育士同士の会話「あれ、◯◯ちゃんママ今日休みだってさ。美容院とか行ってるのかなあ。」 （緊急連絡先「2」に指定されている個人携帯番号にかけ直す）
保育園の先生は緊急連絡票の優先順どおりに電話をかけます。
「保育園の先生が職場に電話をかけた」って怒り出すのは止めてやってなー。
休みの日に職場に電話がかかってしまうという事態を避けるために、緊急連絡票は定期的に見直しましょう。
仕事中でも個人携帯番号で受電できる状態であれば、緊急連絡先の優先順位「1」は携帯電話の方にしておく方が無難かもしれませんね。
しれっと何も言わず預ける
「親が休みの日は登園不可」という方針がはっきりしている保育園では厳しいですが、「休みの日は家庭保育推奨」というレベルであれば、いつものようにしれっと登園すれば良いでしょう。
先生たちは「今日はパパ休みの日なのに」など同僚同士で話すかもしれませんが、それだけのことです。
仕事ということにして保育園に預ける
本当は仕事が休みなのに、そのことを告げずに子どもを預けることも可能です。
ただ、その場合、次のような点に注意を払いましょう。
服装を突然変えない
毎日出勤時の服装がスーツなのに、突然ジーパンやTシャツなどカジュアルな服装で保護者が登園時に現れると、先生たちは「本当は今日は仕事が休みなのではないか」と思います。
先生に仕事休みが分かってしまうことを覚悟する
子どもは正直です。
「ママはお休みだって」と保育士に教えてくれます。
子どもの口を封じることはできませんので、子どもを経由して休みが知れ渡ってしまうことを覚悟しましょう。
また、スーパーマーケットや美容院などで、非番の先生にばったり遭遇して休みが知られてしまうこともあります。
これらは避けようがないため、覚悟しましょう。
きょうだいの一方だけを預ける
仕事を休んで子どもを病院に連れて行くということも頻繁にあるでしょう。
コロナ禍においてはきょうだいのうち一人でも体調が悪くなった場合は、体調良好な他のきょうだいも保育園は利用できないというルールで運用していた保育園が多くありました。
コロナ禍から脱した今、以前のようにきょうだいが体調が悪くても、本人さえ良好ならば通園できるルールに戻している保育園が大半です。
きょうだい複数を連れて病院を受診する大変さは、保育士も良く理解しています。
特に僕ら小さい子が耳鼻科・歯科などに行く場合ね。
親が手足を抑えていないと危険なので、きょうだいはお留守番が安全だよね。
そのような場合は、躊躇せずに「兄が通院するのでその間、妹は保育園で保育お願いします」と申し出てくださいね。
また、保護者御本人が病院を受診するときも同様で、「私が受診したいので、その間、子どもを保育してください」とお伝えください。
まとめ
仕事が休みの日には保育園を利用してはいけないという誤解があるようです。
必要なときは利用して大丈夫です。
一方で、休みの日は利用しないように呼びかけている保育園が多いですよね。
その理由は、保護者が休みの子まで全員保育していては、職員数が圧倒的に不足し保育の質の低下が免れないためです。
いくら法律が休みの日でも保育園を利用できるようにしろと定めたところで、受け入れ体制が整備されていないのですから、どうしようもありません。
休みの日に保育園を利用する場合、休みなのにあえて仕事だと言うなど嘘をつくことだけはやめましょう。
緊急時に連絡がつかないなどトラブルの元となります。
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