保育士として働いています。
体温と同等レベルの気温に、保育園に子どもを預けている方は「保育園の熱中症対策どうやってるの?」と関心があることでしょう。
今回は、保育園で実際に行っている熱中症対策を紹介していきます。
保育園では熱中症対策どうしてる
保育園での熱中症対策は、一般的に行うべきとされている対策の他、こども家庭庁の通達やガイドラインに沿って実施します。
保育園での熱中症対策の基本
具体的には、通達には次のような内容の指示が記載されています。
1.プール活動・水遊びの事故防止
- 監視体制の確保
- 職員への事前教育
- 緊急事態の対応等
2.熱中症事故の防止
- 環境の整備等
- 各種活動実施に関する判断
- こどもに対する声掛け
このような通達やガイドラインを基本として、各保育園の環境に合わせた対応をしています。
対策内容は保育園によって様々ですが、一例を挙げると次のとおりです。
頻繁な水分補給
外遊び中、「全員一回お茶を飲みまーす。飲みたくないお友達も必ず飲みまーす。」
こんな声掛けをすることもしばしばです。
活動前に適切な水分補給を行うとともに、必要に応じて水分や塩分の補給ができる環境を整えること。
活動中や活動終了後に水分や塩分の補給を行うこと。
ガイドラインにもある通り、頻繁に水分補給を行うために年齢に応じて声掛けや補助をしますよ。

僕、お茶はちょっとしか飲まないタイプ。
せんせーが「お茶飲みましょう」って言ったときは、飲んだフリをする。
自分で水筒からお茶を飲める年齢であっても、お茶の減り具合はチェックしています。
お茶を飲みたがらない子もいますからね。
保育園での水分補給の回数については、次項で詳しく紹介します。
保育園での水分補給は1日何回?

保育園での水分補給は1日何回くらいしているのですか?
という質問は毎年1回は聞かれます。
年齢にもよりますが、外気温33度ほどのとある晴れの日の状況はこんな感じ・・
9:00
給食室からお茶類の提供開始。各保育室にウォーターサーバーなどが配置される。
9:20
朝の合同保育を終え、各クラスでの活動になったタイミングで水分補給
10:15
朝の会や室内での活動を終えて、少し外に出ましょうとなったタイミングで水分補給
10:40
暑いので室内に戻りましょうとなったタイミングで水分補給
11:15
給食中に水分補給
~午睡~
15:00
おやつ中に水分補給
15:50
給食室完全清掃完了。各保育室からウォーターサーバーが撤去される
16:20
合同保育に行く前に水分補給
18:00
延長保育に入るタイミングで水分補給
よって、17時頃までに降園する子なら最低1日6回、延長保育まで利用する子なら7回は水分補給をしていることが多いです。
外遊びをする場合、外遊び中にも1-2回水分補給をするので回数は増えます。
ただし、水分補給を何回するかは保育園全体における職員のゆとりや、保育士の考え方に大きく左右されると感じます。
水筒・マグのお茶が減っていない
毎年必ず1人以上の方から聞かれるのが、家庭から持参した水筒の水が減っていないという問い合わせです。

水筒の麦茶が朝入れた量と変わってないぞ。
保育園で水分補給を全くしていないのではないかという疑問が湧くのですね。
考えられる要因はいくつかあります。
- 水分補給の時間を全く取っていない
- 水分補給の時間を取っているが子どもが飲み込んでいない
- 水筒が空になったため保育園でお茶を足した
水筒が空になった
一番多いのが、保育園でお茶を足したので満タンになっているというパターンです。
筆者の場合はこんな問い合わせを受けないように、補充するときは満タンにしないで、降園時に3割くらい残っているくらいの分量に調整しながら補充していますよ。

せんせーお茶ケチらないでー。
ケチっている訳じゃないらしい。
子どもが飲んでいない
「水分補給の時間があるが子どもが飲み込んでいない」場合、本来は十分な量を飲み込んでいるのか1人1人喉の動きをチェックするのが最善でしょう。
実情は、一人ひとりの飲み方までチェックできるのは、職員配置が手厚い0歳児クラスまでではないでしょうか。

うちの保育園、1歳児クラスに18人いるじゃん。
先生も3人いるけど、誰がどのくらいの量を飲んだのか誰がどうやって把握するんだろ。

水分補給の時間も僕たちウロウロしてるしねー。

「サクラちゃんお茶飲んでないでしょう」って私のとこに先生が2回来たよ。
お腹タプタプじゃ。
特に、1クラス当たりの園児数が多い保育園では、誰が水分補給をしたのか正確に把握するのは非常に困難なはずです。
水分補給の時間を取っていない
そもそも水分補給の時間を取っていないのであれば、保育園の運営自体になんらかの問題があるのでしょう。

暑いのに水飲まないとかありえん。
真夏に水分補給をしないとかありえません。

転園じゃ、転園じゃ。
おすすめしない保育園の見極め方については、下の記事で紹介しています。
合わせて参考にしてみてくださいね。
絶対やって欲しい登園直前・降園直後の水分補給
水分補給の不足が心配であれば、やって欲しいのが登園直前および降園直後の水分補給です。
登降園時は保護者も「早く職場・家に向かわなくては」と焦って忙しく、きちんと水分を採らせてから移動しようという気持ちになれないのが現状ではないでしょうか。

朝ごはんでお茶飲んでたのに「もう出る時間だ」って切り上げるの止めてな。
だったら、保育室に入る前に水飲ませてね。

「早く帰って夕飯の買い物だ」って、その前にお茶でも飲んでから行きましょうよ。
保育園ではお茶などの水分を提供していますが、提供時間は給食室が開いている時間のみである点は意外と認識されていません。
給食室の調理師の勤務時間はおおむね朝7時から夕方4時です。
7時から麦茶などを準備し、4時前には給食室の清掃を完全に終えます。
よって、保育室内に麦茶入りのサーバーややかん等が設置されている時間は、朝9時から15時30分といったところです。
それ以外の時間は、家庭から持参した水筒やマグなどで水分補給することになります。
家庭からのマグや水筒はフォローに難が現状
家庭から持参する水筒やマグはロッカーの上の手の届かない位置や廊下に置かれていたりすることもあり、水分補給のフォローが徹底しにくいのが事実です。
登園直前および降園直後には、意識して水分を採ってから保育園内に入る・出るということをすることをおすすめしますよ。
保育園の外遊びでの熱中症対策
保育園での外遊び中の熱中症対策の根拠は、こども家庭庁の通達やガイドラインですが、具体的な対策は各保育園で保育士たちが試行錯誤していますよ。
簡易的な屋根を園庭に張る
大判のピクニックシートにロープとステンレスのフックを取り付けて簡易的な屋根を作成。
猛暑日は屋根を園舎の天井と園庭の柵の間に取り付けます。

風が吹くと破けていくので毎年屋根を作り直している気がします。
打ち水をする
焼けた砂場、高温になった滑り台。
少しでも地表温度を下げるために、打ち水をします。
帽子を水に浸す
保育園の外遊びでは必ず帽子を被ります。
帽子を水に浸してそれを被る!

帽子にシャワーをかけたり、帽子を水を入れたたらいに浸すのじゃ。
帽子を水に浸すとか家庭では、水遊びでもない限りなかなかしないのではないでしょうか。
外遊び後はすぐに全身着替えというスケジュールになっている保育園も多いですしね。
多少服まで濡れても支障ありません。
外遊び後は当然、帽子が濡れているので保育士が干して翌日も使えるようにしていますよ。
保育園のプールでの熱中症対策
プールに入らない
熱中症警戒アラートが出たり、ガイドラインの基準値以上の気温に達した場合は、プールに入らないという対応をします。
このため、1年中一度もプールができなかったという保育園も相当数にのぼっているのが現状です。
ごく短時間でプール遊びをする
熱中症対策は大切ですが、夏の間一度も水遊びをしない・外遊びできないというのは、子どもにとってストレスなのも事実です。
このため、15分から20分など短時間だけプール遊びをするという場合もあります。
その場合は、水分補給をこまめに挟み、園庭には屋根を設置するなどの対策をしたうえでプール遊びをしますよ。
保育園の水遊び・プールについては、下の記事も参考にしてくださいね。


まとめ
保育園で実際に行っている熱中症対策を紹介してきました。
熱中症対策について心配なことがあれば、「保育園での熱中症対策についてちょっとお聞きしたいのですが・・」といった体で、保育士に聞いてみるのをおすすめしますよ。
その際、「水筒の水が減ってないのですが!」とか「顔が赤いのですが!」とか、責めるような口調は、保育士としては避けて欲しいなと思っています。


