保育士として働いています。
この洗礼を受けてこそ真の保育園児になれる?!
今回は、保育園を利用するあらゆる親が恐れる「保育園の洗礼」について、保育現場でのエピソードも交えながら現役保育士目線で解説していきます。
保育園の洗礼とは

「保育園の洗礼」とは、特に保育園に入園して間もないころ、風邪や胃腸炎など感染症に頻繁にかかり、早退やお休みを繰り返すことです。
保育園は集団活動の場です。
当然のことながら、お友達と一緒に過ごし、おもちゃを共有しながら遊びます。
入園して間もなくは特に、免疫ができていない菌やウイルスをもらいやすいため、保育園に入園した途端に保育園のお友達を介して様々な感染症にかかります。
「洗礼」とは本来、キリスト教における信者となる時の儀式のことです。
宗派によっては、体を水にひたしたり頭に水を注いだりすることから、転じて保育園から菌やウイルスを浴びるようにもらうことを例えて「保育園の洗礼」と命名したのでしょう。

お熱でいっぱいお休みした!真の保育園児の完成?!
頭に水を注ぐことで罪を洗い清め、神の子として新しい生命を与えられるあかしとするのが本来の洗礼ですが、保育園の洗礼では「真の保育園児になるための通過儀式」という意味ですね。
保育園の24時間ルールとは

保育園の洗礼と切り離せない、もう一つのおきてが「保育園の24時間ルール」です。
「発熱後の24時間の間は登園を控える」すなわち「解熱後24時間経過後から登園可能」というルールとなります。

熱があるときほど元気でるーー。
摩訶不思議。
24時間ルールの根拠となるのが、厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」です。
発熱時の対応
登園を控えるのが望ましい場合
○ 24 時間以内に 38℃以上の熱が出た場合や、又は解熱剤を使用している場合。厚生労働省/保育所における感染症対策ガイドライン
24時間ルールにより何が起こるかというと、一度発熱すると最低2日間保育園を利用できず、仕事もほぼできない状態になるということです。
”あるある”な状況はこんな感じ。
1日目
- 保育園登園後、10時に先生から発熱のためお迎えの要請連絡を受ける
- 帰宅後すぐ、14時には解熱する
2日目
- 翌朝は、まだ解熱後24時間経過していないため登園できず欠席
3日目
- 2日目の朝から一度も38度を超えることがなかった場合は登園可能
ほぼ2日間休んで登園し、また発熱してしまうと1週間ずっと登園できないことになります。

お迎え要請があって帰宅したのに、
家に帰ると37度台に下がっているのもあるある。
保育園からのお迎え要請の流れについては、下の記事で詳しく解説していますよ。
保育園で感染症になりうる場所や原因

保育園という集団保育の場で、風邪などをもらうきっかけになっているであろう場所を、現役の保育士の立場から列挙します。
園児同士の会話
子どもたち同士の会話は、距離が近い近い!
今日の給食の話とか小声でも十分だろうという内容を叫びます。

今日の給食バナナだって!!!(叫)

えー!おやつおにぎりじゃん。クッキーが良かったなー!!!(叫)
園児の誰かが風邪をひいている場合は、もう相手の子にも飛沫が飛んでいるだろうなと毎回思います。
お友達の手拭きタオル
保育園では手洗いの際、ループタオルを使う保育園も多いでしょう。
タオル掛けにかかっている隣のお友達のタオルと間違えてしまう子がいます。
また、お友達と同じタオルを自分も持っていることも多く、間違えてしまう子もいます。

僕のタオルはトーマス。
あ、アキラ君もトーマスだから間違えちゃった。
風邪状態で無理に登園する子がいる
各保育園では登園基準が決められています。
発熱に関しては37.5度以下とか38.0度以下とか基準があるものの、咳や鼻水などの症状については明確な登園基準がありません。
このため、咳き込んでいて明らかにつらそうな子どもも熱がないために登園してくるということが多々あります。

ゲホゲホゲホ。お咳だからママがマスクしておいてって言ってた。
ゲホゲホゲホゲホ!
熱はないが風邪をひいている園児から風邪をもらうことが少なくありません。
病欠後の復帰が早いため新たな病気をもらう
保育園児の保護者はどの家庭も基本的に忙しく、仕事が休みにくいこともあり、病気後の再登園が早いです。
発熱した場合、解熱したらだるそうにしていても登園となる子も多いです。
保育園あるあるを一つ紹介しましょう。
週明け月曜日の体調報告でかなり多いのが、「金曜の夜から発熱し週末は寝ていました。土曜日の深夜には解熱したので、今日は通常通り登園します」というもの。

日曜の早朝には解熱してます。
解熱後24時間経ってるので登園します。
家庭での発熱が多いのは、なぜだか金曜の夜や土曜日の朝。
月曜日から金曜日までは発熱しないのかーい!とツッコミを入れたいくらいです。
発熱直前か発熱しているときに保育園に登園しているので、当然お友達にもうつっていますよね。
また、風邪をひいた本人も、本調子ではなく免疫も落ちているところに、新たな風邪をもらってしまうこともありますね。
保育園の洗礼の辛さ

保育園の洗礼を受けてしまうと非常にしんどいものです。親が受ける影響は次のとおりです。
子どもが休むため仕事に行けない
保育園で発熱すると、保育園からお迎えに来てくださいと要請の電話が入ります。
呼び出しの電話があると、可能最短で仕事を切り上げ早退しなくてはいけません。
また、解熱後24時間以降から登園可能となっていることが多く、呼び出しがあった翌日は保育園を休まざるを得ません。
子どもが保育園に行けないとなると親も仕事に行けないというドミノ倒しです。

せっかく慣らし保育が終わったのですが、発熱してしまったので仕事復帰の日をずらしてください。
トホホ・・
慣らし保育中は体調を崩すこともなく元気だったものの、いざ職場復帰の日になって発熱という笑えない話。
実は多いのです。
感染症が親にうつる
保育園の他の子どもから感染症をもらってくるということは、当然、自分の子から親にも感染する可能性があります。
子どもが回復した後、今度は自分が体調を崩してしまうことも保育園の洗礼のつらさです。
子どもが保育園をお休みした翌日、保護者から「子どもは元気になったのですが、私が体調不良のため仕事に行かないので、今日も保育園休みます」という欠席連絡を受けることが良くあります。

子どもからもらってしまいました。
ママのあまりのガラガラ声に「お大事にされてください」と返すことしかできません。

ちなみにこちらは、筆者の子どもが保育園からもらってきた手足口病が筆者にもうつってしまったときの写真です。痛そうでしょう?
家庭での保育がずさんだと思われる?
体調を崩し過ぎるため、先生たちに家庭での保育がずさんだと思われてしまうのではと心配しているのなら、ご心配なく。

家でちゃんと子どもを管理できてないと思われてしまう?
保育園の洗礼が降り注ぎ過ぎて、3か月間のうち登園日数が4日だけだったという子も珍しくありません。
どんなに家庭で手洗いやマスクなどの対策をしたところで、感染症をもらうときはもらってしまいます。
仕事もままならず、職場に頭を下げ続けて本当に辛いですよね。
保育園の洗礼はいつまで続く

保育園児の出席状況から判断すると、保育園の洗礼は、入園して間もない時期、特に入園から6ヶ月ぐらいまで続く印象です。
ただし、季節に大きく左右されるので、入園直後の春先は体調を崩すことがなかったのに、風邪などが流行る秋冬に突然、洗礼がやってくるという子もいます。
0-1歳児クラスだと秋冬は常時1割の子はお休みとなるので、全員揃う日は多くないですねえ。

「発表会のリハーサルなのに全然園児が揃わないー」って先生が嘆いている。
逆に、全く保育園の洗礼とは無縁といった様子の子もいます。
また、3歳児以降になると体も丈夫に、風邪などをひきにくくなるものの、溶連菌やヘルパンギーナなど、クラスのお友達からもらってもらって・・自分も感染ということが当然あります。
保育園の洗礼が終わり、「真の保育園児」になった後の年齢でも洗礼が続くことがあるのは致し方がないでしょう。
保育園の洗礼と闘うには
発熱したのに熱がなかったことにはできません。
でも、微々たるものですが保育園の洗礼と闘う方法はありますよ。
発熱する前に休む
一度発熱してしまうと24時間ルールにより、ほぼ2日保育園に行けなくなってしまいます。
これを防ぐためには、38度に上がる前「平熱より体温が高い」と思った時点で、保育園を休むのも一手です。

2日間休むことになるより、今日1日休むほうが良いか。
先に1日休んで体調を回復しておけば、仕事を休まなくてはいけない日は1日だけになります。
無理に登園させる
保育園の洗礼があろうが熱が出ようが、登園させてしまえばこっちのもの・・・ってわけにはいきません。
「解熱後24時間経ってないので本日はお休みしてください」とお願いしているのに、「元気なんで!!!」って、ギャン泣きの1歳児を保育室に無理やり置いていった方。

今は熱下がってるんで!
元気なんで!!
それはただのモンペです。
無理に登園させるのはやめてください。
親が体調不良の場合
保育園は基本的に保護者の就労を支援することが目的であるため、保護者が仕事が休みの日は利用不可としている保育園も多いでしょう。
ただ、体調不良のときは子どもを自宅で保育しつつ、自身も静養することは難しいですよね。
このようなときは、親が体調不良のため子どもは保育園に預けたい旨を報告すれば、利用できる場合が多いです。

私が発熱しているのですが、子どもは元気です。
子どもは登園したいですが、どのように引き渡せばいいですか。
子どものためにもゆっくり静養しましょう。
親が体調不良のときに保育園を利用する方法や、休むときの理由については下の記事で紹介しています。
午前中だけ登園する
登園する場合は必ず朝9時までに登園しなければならないと厳密なルールを設定している保育園もあることでしょう。
ただ、多くの保育園では午前中だけ利用も、午後から登園もOKとしているでしょう。
熱はないけど若干体調が悪そうという場合は、午前中だけ登園して降園し、午後はゆっくり静養して明日に備えるというのも一手ですよ。

子どもが発熱しそうな予感。
でも、午前中だけでも預けられれば、会議は終えることができるぞ。
なお、半日だけ登園するなら午後から来るより、午前中だけ保育園で早く帰る方がおすすめです。
特に小さい子は、今日は保育園がお休みだと思ったのに午後から突然保育園に預けられると機嫌が悪くなる確率が高いです。

午後から保育園ってどゆこと!?
朝はお家だったよね?!今日は休みじゃないの?
保育園側としては、途中から登園する子がいると、他のお友達が起きてしまったり食事が中断するデメリットがあります。
午前中だけで降園の方が流れがスムーズなのです。
半日だけ登園する場合の注意点については、下の記事で詳しく紹介しています。
慣らし保育期間を長めにする
保育園の洗礼が続く期間は体感では入園後6か月と言ったところですが、全く洗礼らしきものには縁がない子もいます。
職場の状況が許すのであれば、職場復帰までのスケジュールをゆったりと確保し、慣らし保育期間を長く設定しておくことをおすすめしますよ。
言い方は悪いですが、職場復帰前であれば、保育園の洗礼の影響は最小限で済みますからね。
病児保育に登録しておく
病気の子どもを預かるサービスである「病児保育」や、病気からの回復途中の子どもを預かるサービスである「病後児保育」が存在します。
病児保育は事前登録が必要な場合が大半なので、あらかじめ登録しておくと安心です。

病児保育で看護師さんと一日過ごしまーす。
発熱のため保育園に行けない日でも、病児保育に預けて仕事に行くことができます。
まとめ
保育園を利用するあらゆる親が恐れる「保育園の洗礼」について、保育現場でのエピソードも交えながら現役保育士目線で解説してきました。
保育園の洗礼は誰もが通らなくてはならない道とされていますが、体感では洗礼と無縁の子もいれば、いつまで続くの?という子もいます。
2歳以上になれば落ち着いて、ほぼ毎日元気に登園できるようになるのでそれまでの辛抱ですね。
下の記事では、保育園でインフルエンザなどの感染症がどのように広がっていくのかを分かりやすく図解しています。合わせて参考にしてくださいね。








